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常闇の街を今日も俺達は散歩する  作者: 和吉
1学期 連続通り魔事件編
130/155

路地裏での遭遇

 時刻は夜10時、見吾の案内によって着いた場所は周りは雑木林だらけで周囲に住宅地や店などは一切なく電灯が2つほどぽつんとある寂しい道だった。


「ここなら人に見られる可能性は無いな」

「でも、照明を壊すと通り魔が現れるって無理ない?」

「実はそんなこと無いんだ、有名どころで言うとこっくりさんだな」

「え?こっくりさんってあの?」

「そう、黒いのたちがこっちに来るには、偶々できたゲートを潜るか自力でこっちに来ないといけないがこっちから常闇の世界に働きかけることも可能なんだ」

「黒いのたちがこっちの世界に影響をもたらせているのなら、こちらから常闇の世界に影響をもたらせるのは当然だな」


 夢さんは不思議そうな顔をしているが、見吾は納得したようだ。


「こっちから黒いのが現実世界に来やすいように、働きかけることが出来るんだ。それの代表的な例がこっくりさん。4人で紙を囲い呪文を唱える、この一連の動作が決められた種類の黒いのを呼び出す儀式になってるんだ」

「少女を誘い出したあれも儀式の1つ?」

「そう、少女のは簡単な奴だったけど複雑で段階が多い儀式も有るぜ」

「なるほどね~巷で有名な心霊儀式って常闇の世界に働きかけてたのね」

「今回の通り魔はその儀式が夜中に道で照明を壊すって事なんだと思う」

「まぁ試してみる価値はあるな」


 夜中に溢れている心霊現象のほとんどは黒いの達によって起こされている。物が動いたとか黒い影が動いたとかそういうのだ。こちらから常闇の世界に働きかける方法を色々が有るが、やるのはお勧めしない。儀式によっては、人に危害を加える黒いのを呼び出すことも有るし、常闇の世界に行ってしまう物も有る。俺は袋からランプを取り出し光を付け暗い場所に行くと、3人と目を合わせ頷く


「現れたら、携帯のライトで常闇の世界に戻らせる。戻ったら追いかけて止めを刺す。大丈夫か?」

「「分かった」」

「了解」


 俺は勢い良くランプを地面に叩きつけると、ガラスが割れた甲高い音が響く。さぁどうだ・・・・


「・・・・出ないわね」

「くそ~外れか」

「仕方が無い、次を考えよう」


 夢さん俺、陽太は壊れたランプを集め当てが外れたことは残念だが次の作戦を考えないとな。俺達が破片を集めている間見吾は手を顎に当て何やら考え込んでいる。どうしたんだ?と様子を見ていると、うむと頷き落ちていた少し大きな石を拾うと大きく振りかぶり・・・・電灯に向かって投げた。


「うおおおおおいいい」

「えっどうしたの?」

「うむ」


 思わず叫び声をあげてしまい、それに驚いた夢さんも叫び声を上げる。そんな俺達を気にすることなく満足したように頷く見吾。何してんだよ!見吾の投げた石は電灯に直撃し、カバーと電球は良い音を立てて壊れてしまった。


うわ・・・・完全に壊れてるじゃん

 

 壊れた電灯を見に行き破片を集めようとした時、一昨日聞いた風を切る音が聞こえた。


ヒュン


 聞こえた瞬間後ろに飛び、音がした方向を見ると黒い人型が居た。


通り魔!?


 驚いている暇も無く、通り魔が俺に狙いを定め走り出そうとしたその時俺の後ろから光が当てられた。通り魔は当てられた光に怯み暗闇に逃げて行く。


逃がすか!


「追うぞ!」


 俺達は暗闇に走っていく通り魔を追いける。通り魔は雑木林の中に走っていき闇夜に紛れようとしているが、やっと掴んだチャンス絶対に逃すものか!木々の間を縫うように、素早く走り抜けていく通り魔。くそ、雑木林だとドアが無いから常闇の世界に入れない。何とかして道の方に誘導したいな。


「ここで消えられると追えない!何とかして道へ誘導しないと!

「分かった、見吾反対から挟めるか!」

「了解した」


 見吾と陽太は、二手に分かれると陽太は右から回り込むように走っていく。見吾は左から通り魔の先に周り左へと通り魔を誘導する。光を当てすぎて、常闇の世界に帰られても困るから慎重に。

読んで頂きありがとうございます!

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