見吾の能力
案内人に連れられてたどり着いたのは少し開けた場所だった。案内人は広間に着くと俺の足に前足を掛けたので抱っこすると、見吾の方を見ながら
「それじゃデカい奴、武器と力どっちからが良い?」
「武器だ」
「男の子だね~んじゃ今分かってる武器言ってみな」
案内人は揶揄うように笑う。抱っこしている案内人はとても軽く、小型犬と中型犬の中間ぐらいの大きさをしているのに重量を感じない。案内人は触れるが体温は感じない。だが、犬と同じように柔らかく、ツルツルとした撫で心地が良い。俺は剣ごと案内人が話している間俺は案内人を撫で続ける。
「刀と威力の無い銃だ」
「なるほどねぇ・・・・デカいのが作れる武器はあと2つだな。もう一回銃の形を思い浮かべてみろ」
「分かった」
案内人は顎の下を撫でると気持ちよさそうにするんだよな~犬なのに抱っこ好きだし仕草は完全に猫。
「おい遊斗、俺をこのデカいのの近くまで運んでくれ」
「ん?あぁ分かった」
撫でるのに夢中だった俺は言われた通り見吾の近くまで来ると、武器を作り出している見吾の手に案内人が前足を添える。
「え、可愛い」
夢さんがボソッと呟く。確かにこの絵面は可愛いな・・・・案内人に肉球は無いがフニフニして柔らかいんだよな。案内人の仕草に癒されてると、見吾が作り出している銃の形がどんどん変わっていき出来上がったのは
「テーザーガン?」
見吾が作り出したのはテーザーガンの形をした光の武器だった。確かにテーザーガンは武器の一種だが・・・・予想外だな。
「これは武器だが・・・・役に立つのか?」
「それはお前次第だな。その武器の仕組みはあとで教えてやるよ。次は普通の拳銃を思い浮かべろ」
見吾の手から前足を話した案内人が顔を拭いながら言う。可愛いなぁ・・・・ペット飼いたかったけど親が駄目って言うから飼えなかったんだよな。
「今度は普通の銃だな」
「だな、見た目はGlock g19に似てるな」
「これは威力有るのか案内人」
「それは遊斗が使ってる銃と同じ威力を持ってるぞ。以上がデカいのの武器だ」
「・・・・半分しか使える武器が無いのか」
「使えるか使えないかは使う人次第だぜ」
少し落ち込んでいる見吾に、ニヒヒと笑う案内人。見た目は可愛いのに言動が達観してるというかおじさんぽいっていうか。まぁ案内人の意見に同意だな、テーザーガンとか黒いのを捕まえるのに役に立つかもしれないし。見吾は能力があるって言ってたし、能力が強力とかありそう。
「・・・・そうだな。教えてくれて感謝する」
「それじゃあ次は能力だな」
「見吾の能力ってどんなのだろう」
「楽しみね、私達の能力は後で見せてあげるね」
「楽しみにしておく」
俺の手に居る案内人に夢中だった夢さんがキラキラと目を光らせながら言う。分かる案内人可愛いよな。
「それじゃあ、取りあえずはスマホで良いか。おいデカいの光が集まって出来たスマホを想像してみろ」
「スマホ?俺の能力を教えてくれんじゃないのか?」
「いいからやれ」
「分かった」
いきなりスマホと言われて驚いた見吾が案内人に聞くが、ただやれと言うだけの案内人。見吾は感覚がつかめてきたのか目を瞑らず、手に光るスマホを出現させた。へ~スマホなんて作れたのか、カメラとか作れないかな
「一応言っておくがカメラは作れないぞ」
「何故バレた」
「なんとなくだ」
考えることそんなに分かりやすいか?陽太の方を見てみると陽太は頷いていた。解せぬ。
「デカいのスマホ見てみろ」
「分かった・・・・これは地図か?」
「「「え!?」」」
驚き3人で見吾の持っている光で出来たスマホを見てみると、現実世界と同じように地図が映っていた。俺もよく使うマップアプリと同じように現在地と周囲の地名まで載っている。
「確かに地図ね」
「うわめっちゃ良いじゃん!」
「これは有難いな」
地図が見れるという事は、俺達が抱えていた問題が1つ解決できるという事だ。その問題というのが自分が居る位置が分からなくなることが多々あるのだ。俺と陽太は引っ越して来たばっかりだから土地勘なんて無いに等しいし、夢さんは地元なら何とかなるけど離れてしまうと無理だ。スマホは動かないから地図を見ることも出来無いし、地図を持ってきても見るのが大変だし困っていたのだ。
「地図だけなのか?」
「いや、これめっちゃ有用だからな!」
「そうよ、知らない土地で歩き回るの大変なんだから」
見吾は能力が地図だけなのが不満みたいだが、俺達はその能力の有用性を熱く語る。案内人は尻尾を揺らしながら答える。
「まだ有るぜ」
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