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常闇の街を今日も俺達は散歩する  作者: 和吉
1学期 連続通り魔事件編
122/155

通りかかる白い影

 次の武器を見吾に作ってもらおうと、ふと道路を見ると遠くで何か白い影が通った気がした。もしかして・・・・


「ごめん!武器作ってるところ悪いけど付いてきてくれ!」

「えっ?分かったわ」

「了解した」

「どうしたんだ?」


 3人はいきなり走り出した俺に驚いたが、遅れる事無くついてきてくれた。白い影はこの先を曲がったはず、角を曲がるとそこには人型の黒いのが。


邪魔くさい!


 俺はマグナムを作り出し俺に気付いた人型が俺を捕まえようと手を伸ばしてきたのを、左に避け頭に向かって至近距離で銃弾をぶち込む。ドンッと鈍い音と共に黒い人型の頭は弾け飛び消滅していった。黒いのを倒し、辺りを見渡すと白い影は見る影も無くなってしまった。俺が黒いのを瞬殺したことに驚きながら3人が


「瞬殺ね・・・・一体どうしたの?」

「あれが黒い化物か」

「遊斗一体どうしたんだ?」

「いや、一瞬ここを曲がる白い影が見えたんだ」

「それって」

「白い影?黒じゃなくて?」

「?」


 夢さんと見吾は俺の言ってることが分からないと頭を傾げていたが、陽太は白い影が何なのか知っているので驚いた顔をしている。たまにしか会えないから、急いで駆け付けたんだが見失ってしまった。諦めるかとはぁと溜息をつくと


「よう、相変わらずだな」


 俺の左側にある壁の上から低い声が聞こえた。ぱっと声がした方を見ると、塀の上に座っている白い犬がいた。白い犬と言っても、普通の犬ではなく全身が光っており顔が無い。表すなら光が集まって犬の形をしている感じだ。俺が追いかけてたのはこの白い犬だ。


「久しぶり案内人、こっちに来てたんだな」

「俺は何処にでもいるさ。泣き虫坊主と知らない顔が居るな」

「最近仲間になったんだ。夢さん見吾この人は・・・・」

「犬が喋った!?」

「犬・・・・なのか?」


 夢さんと見吾の方を見ると、口と目を開いてとても驚いた顔をしていた。まぁ光る犬が喋ったら驚くか。陽太は顔をしかめながら


「泣き虫坊主は止めてくれ案内人」

「へへ、泣き虫坊主は大きくなっても泣き虫坊主だろ」

「なんで遊斗は名前なのに俺は駄目なんだ!」

「そりゃ印象の問題だよ。俺と会った時はずっと泣いてただろ」

「うぐっ・・・・」


 案内人はケタケタと笑いながら陽太をからかっている。塀に座っていた案内人は前足で顔を拭いながら


「それにしてもどうしたんだ?こんな場所で」

「通り魔を探してるんだ」

「へ~そうかい」

「案内人は散歩か?」

「そうさ」


 案内人と話していると、夢さんが俺の服を引っ張り案内人を見ながら


「ねぇこの犬?が前話してた案内人さんなの?」

「そうそう、見吾にも話したよな常闇の世界の事を色々知ってる案内人が居るって」

「うむ、まさか人ではないとは思わなかった」

「この形が気に入ってるのさ」

「あ、そうだ案内人。通り魔が何処に居るか知らないか?」

「知ってるぜ」

「教えてはもらえないか」

「断る」

「そうか、じゃあ見吾の武器と力を教えてくれないか?」

「それならいいぜ」

「え、どうして通り魔の事を教えてくれないの!?」

「ケヒヒ、気分だな」

「え・・・・」

「無駄だぜ、案内人は色々教えてくれるけど断った事は絶対に言わない」


 簡単に引き下がった俺に吃驚したのか夢さんが案内人に聞くと案内人は尻尾をしならせながら答えた。夢さんは案内人の答えに驚いたが、陽太は呆れた顔をしながら案内人の性質について話す。陽太の言う通り教えてくれる事と教えてくれないことが有る。断られたら絶対教えてくれないので、潔くあきらめた方が良いのだ。案内人はお座りの姿から香箱座りになると尻尾を振りながら、


「おいデカい奴、俺の前に来い」

「?分かった」


 見吾は言われる通りに案内人の目の前に来ると、案内人はじっと見吾を見ると


「ケヒヒ、また面白い力を持った奴だな」 

「どんな力なんだ?」

「教えてやるから付いてきな」


 俺達は立ち上がり塀を歩き出した案内人に、付いていくことにした。


読んで頂きありがとうございます!

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