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常闇の街を今日も俺達は散歩する  作者: 和吉
1学期 連続通り魔事件編
120/155

再び結市

 警察署を後にした俺達は電車に乗り結市まで来ていた。昨日の現場の最寄り駅で見吾と待ち合わせとなっているので、連絡し合流すると俺達は現場へと歩き出した。その道中先に来ていた見吾から色々な話を聞けた。


「お疲れだな。事情聴取は大丈夫だったか?」

「何とかな・・・・」

「あれだけで疲れたわ」

「もう二度と経験したくない・・・・」

「ふむ・・・・警察に気を付けた方が良さそうだな」

「だな、それで何か分かったか?」

「そこまで多くは調べられていない。被害者は共通点が無くバラバラで犯行エリアは結市全体。警察が巡回しているのにも関わらず、犯行が収まらず警察も手を焼いてるみたいだな」

「まぁ相手は人間じゃないからな~」

「それと待っている間に現場に行ったんだが、犯行現場周辺の電灯が壊されていることが分かった。恐らくだが、遊斗の靴の切り裂かれたのは壊れた電灯を踏んだからだと思われる」

「あ~そういえばガラスっぽいの踏んだ覚えが・・・・」

「ねぇねぇ遊斗君、黒いのってそんな事もするの?」


 黒いのが物を壊したと聞いて、夢さんが不思議そう聞いてきた。今まで会ってきた黒いのは現実世界に来なかったし、少女は人を攫ってはいたが物を壊したという報告は無かった。俺も黒いのが物を壊すって話はあまり聞かないな。


「あんまり聞かないな・・・・物を少し動かしたりすることは聞いたことがあるけど壊したりするにはある程度強い黒いのじゃないと出来ないし」

「そうなのね」

「通り魔は人傷つけてるから、物を壊しても不思議じゃないだろ?」

「そうなんだが・・・・なんか引っかかる」

「引っかかるとは?」

「う~ん・・・・駄目だ。モヤモヤする」


 確かに今回の黒いのは現実世界に干渉できるほど強いみたいだが・・・・なんか変なんだよな。


「ふむ、遊斗が思いつくまで報告を続けよう。もう一つ気になる点として、過去の犯行を見ると一日で3件発生している。犯行時刻は10時、10時5分、10時7分と連続して犯行が行われ同一犯だと思われてるが、犯行現場の距離が離れているので不可能に近い」

「マジか・・・・あんなのが複数居るのか」

「特殊な移動方法を持っていたら一人でも可能じゃないかしら?相手は黒いのでしょ?」

「どうだろう、特殊な移動手段が有ったら俺達から一瞬で逃げることが出来たはずだ」

「あ~確かに」

「俺が気になった点としては、複数居るとするならば何故もっと被害者が居ないのかという事だ」


 確かに見吾の言う通りだ。複数居るのであれば被害者の数がこれくらいではすまない。複数居るのかそれとも1人しか居ないのか判断出来ないな・・・・複数居るとしたら厄介だぞ。


「確かに・・・・」

「出現できる数に限りがあるとか」

「その可能性もある」

「駄目だ、現状だと判断出来ないな。もっと情報集め無いとな」

「すまない、もっと情報を集められれば」

「いや、短い時間でよくここまで集めたと思うぞ。助かった」

「そうよ、役に立ったわ」

「あぁ少しでも分かっていれば動きやすい」


 見吾は少し落ち込んでいるようだったが、この短時間でこれだけ情報を集めたこと自体が凄い。それに手掛かりとなる情報を集めてくれたし手掛かりが無い状態で探すのとは大違いだ。後は、黒いのを探すだけなんだが・・・・その前に模擬戦闘した方が良いよな。


「それじゃあ、通り魔探しをと行きたい所だがその前に見吾に常闇の世界に連れてった方が良いな」

「そうだな」

「いきなり本番は危ないものね」

「手間を取らせてすまない」

「気にすんな。どうせ通り魔はもっと遅くにならないと現れないしな」


 俺達は見吾を常闇の世界に慣らすため、近くに在った扉から常闇の世界に入っていった。

読んで頂きありがとうございます!

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