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常闇の街を今日も俺達は散歩する  作者: 和吉
1学期 連続通り魔事件編
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やらかし

大蔵刑事の勧めで車に乗せて貰ったが、物凄く気まずい。まだパトカーじゃないだけマシだがちょっとこれはキツイ。横を見ると2人とも笑顔を浮かべてはいるが非常が固い。悪い事はしてないんだが、隠し事をしているから余計緊張するし憂鬱だ。そんな俺達をバックミラーで見ながら大蔵刑事は話を切り出した。


「今日は大変だったね。観光しに来たらまさか通り魔事件に遭遇するなんて」

「えぇ驚きました」

「結神社はどうだった?今日はそこに行ったんでしょ?」

「綺麗な場所でした。階段を上った先で振り返ると街が一望出来て素敵でした」

「そっか~作品の題材としてはどうかな?」

「私は迷ってます。綺麗な場所ではあったんですけどピンと来なくて」

「俺は、良いと思いました。夜の風景を撮ったら素敵だなと」

「そっかそっか、じゃあまたこっちに来るのかな?」

「その予定ですね」

「じゃあ気を付けてね。次は自分が被害者かもしれないから」


 大蔵刑事は優しい口調で今日あったことを聞いて来るが、核心である事件の事は聞いてこない。恐らく俺達を怪しんでるんだろうな・・・・だから今日の予定のことを聞いてくるんだ。本当に神社に行ったのか、本当に偶然事件に遭遇したのかを。この活動をしていると、どうしても警察と関わってしまう。疑われたら活動が難しくなるという事は分かっているんだけど、被害者と関わるとどうしてもな・・・・その後も当たり障りのない話をしながら、一人一人家まで送ってもらった。


「それじゃあまた明日」

「はい」


 送ってもらった俺と陽太は車が見えなくなると、大きくため息を吐いた。


「は~何とか乗り切れたけど絶対あれ疑ってるって」

「あの人話聞くの上手過ぎないか?」


 車で送ってもらっている間どうして夜柱学園に通う事になったのかとか、自分の専門や普段何してるかまで色々聞きだされてしまった。しかも自然に聞いてくるのでうっかり話してしまうんじゃないかとハラハラした。陽太も大蔵さんと話すのは疲れた様で、


「絶対黒いのを相手するより大蔵刑事の相手をする方が疲れるって」

「それな」


 俺達は、今日は疲れたとさっさと部屋に戻りシャワーを浴びて寝るのであった。


次の日の朝テレビを付けてみると、昨日の通り魔事件のことが報道されていた。今回は被害者の意識がハッキリしているので、救助した人が居たと報道されてはいるが俺達個人を特定されている物は無かった。


良かった・・・・昨日の被害者には名乗って無いし俺達の事がバレる事は無いだろ。


 ニュースを見ながら支度をして、いつも通り学校に登校すると昨日偶然会った柊君がもう席に座っていた。


うわ・・・・なんか気まずいな。戦ってる所は見られてないだろうし、大丈夫だと思うけど。一応挨拶した方が良いよな


「おはよう」

「おはよう」


 柊君は表情を変えず無表情で挨拶を返してくれた。良かった・・・・怪しまれて無さそう。俺達は席に座ると、後ろから突然


「すまないが、2人とも今日の昼時間あるだろうか?少し話がしたい」

「え?あぁ良いけど」

「俺も大丈夫だが・・・・」

「良かった、それでは今日の昼屋上に来て貰えるか?」

「分かった」


 柊君はそれだけ話すと、すぐに読書に移ってしまった。え?話って何?たぶん昨日のことだろうけどわざわざ屋上に呼び出すってどういうことだ!?あの時は焦っていて周りの確認が出来ていなかったし・・・・もしかして戦ってる所見てた!?今日は放課後に警察に行かなきゃいけないのに、憂鬱だ。

 陽太も、突然の呼び出しに驚いたのかメッセージを送ってきた。


『呼び出しって昨日の事だよな?』

『おそらくな』

『昨日の事ってどうしたの?』


 夢さんも居るグループで話していたので、昨日の事を知らない夢さんが聞いてきた。俺達は昨日柊君に会ったことと呼び出しを受けたことを話すと夢さんは、


『そんなことが有ったのね。私も行った方が良いかしら』

『いや、直接見られたのは俺達だけだし夢さんまで一緒に居たとバレる必要ない』

『そうだな』

『分かったわ。後でなんて言われたか教えてね』


 俺達はメッセージでのやり取りが終わった後授業を受けたが、色々と厄介な事になりそうだと憂鬱な気分で授業を受けるのであった。

読んで頂きありがとうございます!

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