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常闇の街を今日も俺達は散歩する  作者: 和吉
1学期 連続通り魔事件編
114/155

路地奥での戦い

ッ!!!!


風邪を切り裂く音が聞こえた瞬間、陽太と一緒に姿勢を崩しスライディングしながら道を転がる。


危なかった・・・・


 黒いのが曲がり角で待ち伏せをしていたのだ。もう少し反応が遅れていたら首を斬られていた。黒いのは転がった俺達に追撃しようと走ってくる。二手に分かれ振り下ろされた刃を躱し、足払いを入れるが当たっているのに感触が無い。


クソッやっぱり駄目か!


 黒い人型は俺達の攻撃を全く気にすることなく、素早い動きで俺達に攻撃してくる。ナイフのように短い刃で、俺の腕を狙い鋭い刺しを入れてくる。後ろに下がりながら体を逸らし、何とか避けているが反撃が出来ない。下がっていると、ドンと背中が何かに当たった。


ヤバッ


 避けるの集中し過ぎで後ろを見ておらず、壁に追い込まれてしまった。黒い人型は俺の隙を逃さず右から大きく刃を振りかぶる。俺はしゃがみ込み黒いのの足に飛び込み、足をすり抜け前へと避けた。危なかった・・・・黒いのが実体を持ってなくて助かった。現実世界の黒いのには物理攻撃は効ないし掴むことが出来ない、つまりすり抜けることが出来るのだ。だが、この方法は最終手段黒いのに体が触れられると体力が持ってかれる。体が大きく黒いのに触ってしまい体力を持ってかれ息が上がる。


フッーフッー

 

 荒くなる息を落ち着かせたいが、黒い人型がそれを許してくれない。黒い人型は振り返るとまた俺を狙い攻撃してくる。足、腕や手など致命傷にならないが確実に削られる場所を狙ってくるこいつの攻撃を完璧に躱し続けることは難しい。俺が避けている間陽太が黒い人型の背中や頭を攻撃してくれてるが、一切無視している。狙いは俺だな・・・・躱し続けていると俺達が通った場所から物音が


ヤバい、誰か来たのか!?


 一般人が狙われたら、助ける術がない。不味い!!!焦っているとピタリと黒いのが攻撃を止めた。


!?


 黒いのはピタリと動かなくなると、足から霧のように消え始めた。


「こいつあっちに逃げる気だ!」


 陽太が叫び俺も追いかけるために扉を触ろうとした時、通りから輝くライトが俺達に向かって照らされた。人が来たのか!?クソ人の目の前じゃ力は使えない。俺は扉を触ろうとした手を下ろしライトを照らしている人物を見ると、それは驚きの人物だった。陽太も驚いているようで口を空けてしまっている。


「柊くんだったっけ?」


 ライトを照らした人物は、同級生である柊見吾だった。警察かと思っていたので予想外の人物に固まってしまったが、取りあえず事情を聞くために話掛ける。


「なんで此処に?」

「走っている姿が見えた」

「俺達を追って此処に?」

「そうだ」


 追いけるのに必死で回り全く見てなかった。やらかした・・・・思わず手で顔を覆ってしまったが、早く誤魔化さないといけない。


「俺達がここに来た時にはもう消えてた」

「そうか」

「俺達夢さんを残してるから、一旦戻るな。柊君は気を付けて帰った方が良いぞ」

「分かった」


 俺の言葉に頷く柊君。なんか掴み所が無いな・・・・俺達は別れを告げると、走ってきた道を急いで戻った。急いで戻ったため柊君が俺達をじっと見ていたの気付かずに。

 走っていると、遠くから救急車とパトカーの音が警官たちが走っている音も聞こえる。はぁ・・・・大事になっちゃったな。色々言い訳考えなきゃな、夢さんの元に戻ると丁度救急車が来た様子だった。夢さんは俺達に気付くと、手を振る。俺達は夢さんの近くに駆け寄り


「大丈夫だったか?」

「えぇ女性の怪我もそこまで深くないみたい。縫う必要はあるけど大丈夫みたい」


 女性を載せて走り出す救急車を見送ると、後ろから夕方に聞いた声が俺達を呼んだ。


「あれ?遊斗君たちじゃないか。君達が発見者なのかい?」


 後ろを振り向くと案の定大蔵刑事がそこに居た。優しい笑顔を浮かべたその顔は、嘘を許さない顔だった。


「そうです。神社からの帰りに偶然悲鳴を聞いて」

「そうなんだ・・・・詳しく聞きたいけどもう夜遅いし明日夜柱警察署に来てもらえるかな?学校が終わってからでいいから4時くらいに」

「分かりました」

「じゃあ今日は俺が君達を送っていこう」

「いや、自分達で帰れるんで大丈夫です」

「そうです、すぐ近くなので大丈夫ですよ」


ヤバい、絶対車に乗ったら色々聞かれるやつだ。絶対に乗りたくない!俺達は首を振って断ったが、大蔵刑事は拒否を許さない笑顔で


「駄目駄目、もうこんな遅いんだから未成年の子をこのまま返せないよ。それに電車代が浮くからお得だよ」

「「「はい・・・・」」」


 これは断れないやつだ・・・・ぼろを出さないように気を付けなければ。

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