表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
常闇の街を今日も俺達は散歩する  作者: 和吉
1学期 連続通り魔事件編
112/155

驚きの遭遇

 最新の犯行現場は人通りの少ない住宅地の裏道。電灯も少なく塀が高く死角が多い、夕方になった今結構薄暗いな・・・・現場には何人も警官がおり、今も調査を起こっているようだ。最後に犯人が逃げ込んだ場所に行きたかったんだが・・・・場所も分からないしこんなに警官が居たら大胆に動けないな。3人で現場を遠巻きに見ていると、


「遊斗何か見えるか?」

「いや、小さいのは見えるが大きい奴は居ないな」

「この時間帯だとまだ出てこれないのかしら」


 側溝の隙間から覗いている奴は居るが、人に危害を与えられるほど強い力を持った奴は見当たらない。そもそも、今回は多くの人に犯人が見られている。少女の際にも黒いのが見えた人は居たが、こっちの世界で自由に動けるってことは相当強い奴だぞ・・・・


「もっと暗くならないと駄目かしら」

「かもな~親御さんに連絡大丈夫?」

「えぇこっちに来るときに連絡したから大丈夫」

「じゃあ、ここら辺見回って夜になるまで待つか」


 陽太の言う通りに、一旦犯行現場から離れようと後ろを向くとこっちに向かってくる見覚えのある顔をした男が、


「もしかして」

「えぇ」

「何であの人居るんだ?行方不明者事件の担当じゃなかったか?」


 2人も見覚えのある顔が向かってくるのに驚いたようだ。何でこんな場所で遭遇するんだよ・・・・あちらも俺達に気が付いたようで片手を上げながら


「やぁ、また会ったね。こんな所にどうしたんだい?」


 まさか知っている人に出会うとは思っていなかったので、言い訳を考えていなかった・・・・どうしよう結市だと何が有るんだ?ここら辺全然知らないんだよな。どう答えようか迷っていると夢さんが


「この先に在る結神社を見に来たんです。学校に提出する作品の題材に良いかなって。遊斗君も作品を作らなきゃいけないし折角だから一緒に来てみたんですけど・・・・何かあったんですか?この先進めなくて」


 大蔵刑事は夢さんの言葉を聞き納得したかのように頷く。


「あ~成程ね。結神社と言えば、絶景で有名だもんね。連続通り魔事件って知ってるかい?」

「えぇニュースで見ましたけど」

「それが起こったのがあそこ、だから封鎖して有るんだ。最近は物騒だから夜遅くまで居ないですぐに帰るようにね」

「そうなんですか、ありがとうございます」

「分かりました、気を付けます」

「気を付けてね」


 大蔵刑事は俺達に気を付けるように言うと封鎖された現場へと向かっていった。声が聞こえなくなるほど離れると3人はふーと息を吐いた。


「ナイス夢さん」

「助かった」

「これくらい大丈夫よ。あれで誤魔化せたかしら」

「微妙だと思う、あの人口調は優しいのに調べ上げられてる感じがするんだよな」

「まぁ確信は持ってないだろうから大丈夫だと思うぞ」


 夢さんのフォローによってこの場は凌げたが、絶対俺達に対して疑いを持ってると思う。世間が注目した現場に二回連続で居たんだ、何かしらをしてるんじゃないかと疑って当然だ。次からはもっと気を付けなきゃな・・・・


「それじゃあ、大蔵さんに気を付けながら周りを見るか」

「そうね。また会ったら大変そう」

「それにしても、何でここに居るんだ?」


 大倉さんがここに居る疑問は解決されなかったが、俺達は大蔵刑事に会わないように気を付けながら周囲を注意深く捜索した。しかし、特に収穫は無く陽が落ち当たりは闇に包まれていった。

読んで頂きありがとうございます!

コメント・感想・評価・ブックマークお願いします。

基本毎日投稿しており、時間は決まってません。

twitterで更新状況を発信しているので、宜しければフォローお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ