連続通り魔事件
大量行方不明者事件、別名神隠し事件が鳴りを潜めた頃巷では新たな事件が世間を賑わせていた。その事件は連続通り魔事件、事件の内容はいたって単純夜中に道を歩いていたらいきなり現れた黒い服の男が斬り付け逃げるという物。被害者は老若男女問わずだが行方不明者事件と違って、事件の発生場所は結市に集中している。
行方不明事件が起きている時にもこの事件は報道されていたが、行方不明事件のインパクトが大きくあまり覚えていない。しかもこの事件は目撃者が多数居るので俺達には全く関係ないと思っていたいんだが・・・・荒川さんからの一報で俺達が調査することになった。
その一報が有ったのは5月1日の放課後だった。今日も常闇の世界に行こうという相談を3人でしていた時、突然電話が鳴り名前を見てみると荒川さんだった。俺の情報を基に記事を作る為忙しくなると言っていたんだが、どうかしたのか?電話に出てみると、少し焦ったように荒川さんが話し始めた。
「遊斗君今大丈夫かい?」
「荒川さん大丈夫ですよ。どうかしたんですか?」
「良かった・・・・急遽君達に報告しないといけないことが出来てね」
「記事の事ですか?」
「いや、他の事だ」
荒川さんが記事以外で俺達に緊急の連絡を入れるということは・・・・常闇の世界関連か?幸い周りには誰も居ないみたいなので、通話をスピーカーにして
「周りに陽太と夢さんも居ます。スピーカーにしたので全員聞こえるようにしました」
「ありがとう、それで報告って言うのは君達は連続通り魔事件って知ってるかい?」
「確か・・・・最近何人も被害者が出てる事件ですよね。警察も全力で捜査しているってニュースでやってました」
「確か結市で多発しているのよね?」
「あぁ被害者全員が犯人を見てるから捕まるのも時間の問題なはずだが」
「そう、その事件。実はその事件変なんだ」
「変?」
確かに、警察がかなりの数導入されているのに犯行は止まらないし犯人の目的も分からない。ここまで捕まらないのは変だが、それで俺達に連絡する理由とは?
「実は昨日警察が犯行現場を見たらしく犯人を追ったんだが、追い詰めたと思ったら霧のように消えてしまったそうなんだ」
「え?」
「それって・・・・」
「しかも、被害者たちは全員黒ずくめの男に斬り付けられたと言っていたがその犯人、顔も手も全て真っ黒だったらしいんだ。夜中である事と斬られたショックで記憶が混乱してるんじゃないかと思われてたが、犯人を追いかけた刑事も同じ証言をしてるんだ」
成程、確かに変だ。いくら黒い服を着ていたとしても手や顔なんかは肌色が見えるはず、話の中では目出し帽を被っている話は無かったし全身黒い色もしかして・・・・
「それで、君の話を思い出したんだ。あの化物達は暗い場所なら短時間外に出られるんだろ?」
「えぇ、外に出ることは出来ますが人を傷つけられるレベルになると相当力が強い奴ですね。そういう奴は基本同じ場所にしか出ないんですが・・・・調べた方が良さそうですね」
「こんな報告をした俺が言うのは何だが、気を付けてくれよ。安全が第一だ」
「大丈夫です、連絡ありがとうございます」
「あぁまた何か分かったら連絡するよ」
電話を切った後俺達は荒川さんからの報告を聞き、今日の予定を変え結市へと向かった。行くまでの道中電車の中で連続通り魔事件に調べてみると、余り情報が無い。
「犯人の様子も黒いってだけだし、何で斬り付けられたのかも載ってないのね・・・・」
「防犯カメラも沢山あるのに、全然犯人が映っていない。映ったとしてもボヤけてるな」
「それじゃあ地道に現場で探すしかないな・・・・調べた感じだと警察も沢山見回りをしてるみたいから怪しまれないように気を付けないとな」
俺達は最新の犯行現場に近い駅で降り、現場へは徒歩で向かった。
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