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常闇の街を今日も俺達は散歩する  作者: 和吉
1学期神隠し編
108/155

一段落

・・・・少女の事を悪の権化や恐怖の象徴としてしか見てなかったけれど、少女にも何かしらの事情があったのかなと思ってしまった。俺達がやってた事は一方的な決めつけなんじゃないか、理由が有ったんじゃないかとか色々と疑問は残ってしまったな。少女を見送ると、2人が走ってきた。


「遊斗君大丈夫?」

「何もなかったみたいだけど大丈夫か?」

「おう、大丈夫それいじゃあここから出ないとな」


 少女が消えた後でも、栗世界はそのままで何処にも出口や建物が見える事は無かった。ドアが無ければ俺の力はつけないし、この空間を作った少女は消えてしまった。出る方法が見つからず少し焦っていると、ピシピシと何かに亀裂が入ったような音が何処からか聞こえてきた。


「何処からこの音聞こえるんだ?」

「ねぇ・・・・」

「ん?どうした?」


 夢さんは、少し怯えたような顔をしながら指で地面を指しながら


「この音地面から聞こえる気がするんだけど」

「え?」

「は?」


 俺達は指さされた地面を見てみるとその時ビシッと地面に大きなひびが入った。


「「はぁ!?」」


 ひびが入ったことに驚いたのも束の間、日々が空間全体に広がっていき崩壊を始めた。


「ヤバいヤバい!!!」

「出口全然見つからねぇ!!!」

「早くしないと、真っ逆さまよ!!!」

壁が崩れ黒い瓦礫が落ちてくるのを避けながら逃げ回ったが、足場も崩れていきもう無い。折角少女を倒したのに!!!崩れていく空間から逃げられず、3人は深淵へと落ちていく。



「またこれかよぉおおおおおおお」

「遊斗今こそ覚醒の時だ、転移しろ!!!」

「出来るかぁあああ」

「ねぇこれ落下長くない?」


 パニックって無茶な事を言う陽太に怒鳴り返したが、その様子を見てやけに冷静な夢さんが言う。あれ?確かに、もう落下し始めてからもう15秒は経ってる。普通落下したらかなりの速さで地面に衝突するはずなんだが・・・・・落下してる感覚はあるのに空に浮いてる気分だ。


「確かに長いな・・・・」

「物凄い高さだったのか?あの場所」

「さぁ?」


こんなことを話している間にもう30秒は経っている。これは流石に長すぎるな・・・・一向に地面は見えてこないし衝突する様子もない。落ちた時は相当焦ったがあまりにも長い落下に段々・・・・


「アスレチック鬼畜だったけど楽しかったわよね」

「テディベアも巨大だったけど可愛らしかったよな」

「あんなことが出来る黒いのも居るんだな~色々な黒いのを見てきたけど初めて見たな」

「そうだ、今度何処かアスレチック行かない?」

「お、良いな」

「賛成」


 落下しているのに慣れてしまった俺達は雑談が始まってしまった。少女との戦いを振り返り遊びの約束までする始末。完全に油断している。その後も話し続け5分はしただろうか、落下の終わりは突然訪れた。


「「「ぎゃっ」」」


 完全に油断しまくっていた俺達は、突然現れた地面に顔面からぶつかってしまい花を痛める事態となった。落下の衝撃はあれだけ長い間落下していたのに、歩いていて顔面をぶつけた程度の痛み。本来なら原形をとどめないほどグチャグチャになっていても可笑しくないのに。


[いった!」

「地味に痛い・・・・」

「いきなりは止めてよ・・・・」


 鼻を押さえながら、立ち上がると常闇の世界の少女と会った公園だった。どうやら、あの場所から動いていなかったみたいだ。周りを見渡しても、黒いのは居ない。


「戻ってきたのか」

「一体あの空間は何だったのかしら」

「さぁ?さすがに疲れたし早く戻ろうぜ」


 陽太の言う通り流石に疲れた。色々と疑問は残ったが俺達は現実世界に戻り家に帰り疲れを癒すのだった。

1学期神隠し編 完

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