猪突猛進急カーブ
襲い掛かる鎧を転ばせては逃げて、吹き飛ばしては逃げてを繰り返してようやく半分までくることが出来たが・・・・
「鎧の次は魔獣かよ!」
「これダンジョンじゃないわよね?」
「転ばせるの無理じゃね?」
操り人形のような動きをする鎧達から逃げきることが出来たが、まさかの次は魔獣のような石像。4足歩行で牙があり大きさは俺達の腰ぐらいまである。体は筋肉隆々でイノシシの様に突撃してくるので絶対当たったら駄目だな。
「あれ受け止められるか?」
「無理だな」
「私も無理」
「だよな~」
石の塊が突っ込んできたら流石の俺達でも受け止められない。
「まぁ行きますか」
「そうね」
俺達は床と炎に気を付けながら、進んでいくと石像は俺達に気付き勢い良く突っ込んできた。速さはかなりあり石の塊が突っ込んでくる迫力が凄いが動きは単調ただ突っ込んでくるだけ。これなら簡単に避けられそうだな・・・・
「よし今だっ」
突撃してきた猪との距離が1mくらいの場所で、左右の安全を確認し左へと飛び避けて安心したと思ったら俺達の真横を通り過ぎようとした石像が急ブレーキをかけ90度カーブをしてきた。
「「「嘘だろ/でしょ!?」」」
砲弾の様に勢いよくまた突っ込んでくる石像を前に飛び何とか回避したが、全員石像に対して同じ気持ちになった。
「何であの重さと速さで直角で曲がれんだよ!」
「怖っなにあれ怖っ」
「今更だけで物理法則無視しないで!」
石像はまた避けた俺達を追尾し直角ターンを2回して追いかけてくる。しかも1体だけでも避けるの大変なのにそれが後3体いるってヤバすぎる!
「ちょっ」
「これっ」
「さっきよりキツイ!」
速いのに追尾性能が高く、どれだけ攻撃しても傷つくことの無い石像相手に苦戦しながら少しずつ進む俺達。石像だけでもキツイのに槍トラップや炎トラップに何度やれそうになった事か。
「こいつらこの速さで突っ込んでくるならぶつけ合わせり、壁に当てたり出来ないか?」
「試してみる価値ありだな」
「そうね、じゃあ私は壁に」
このままだと、確実に後ろから迫り来るテディベアに追いつかれる。だが、早く進もうにも石像が邪魔過ぎるので陽太の提案通りこいつらをぶつけ合わせて何とかできないか試してみる。俺達は散開し俺は2体を引き付け他の1体ずつを夢さんと陽太に受け持ってもらう。少し先に狭くなってる通路が有るのでそこなら当てやすいだろ。
「陽太!」
「分かった」
声を掛けると俺の見てる場所が分かったようで、返事をすると一緒にトラップを避けながら走っていき陽太は通路の入り口で止まり俺はそのまま通路を進む。後ろから全速力で着いて来る石像を通路の出口まで進みバク転で石像を回避し後ろに回ると、石像はで口でカーブし俺を追いかけてくる。
よし、そのまま付いてこい
来た道を全力で逆走し、入り口で石像避け続けている陽太の元へ行く。
「陽太!」
「あいよ!」
陽太も俺の元へ入り口から走ってくる。よし、後は石像との距離をギリギリまで詰めて・・・・俺に向かって走ってくる陽太、ぶつかるまで後5秒・4・3・2・1っ今だ。
俺と陽太は当たるギリギリの場所で、勢い良くバク転し着地したと同時にドンッと鈍く大きな衝撃が響いた。俺に付いてきた1体目は陽太に付いてきた石像にぶつかり只のがれきと化しその残骸に俺を追ってきた2体目が突っ込みこれも只のがれきになった。
「よしっ!」
「上手くいったな」
俺達が良しっとガッツポーズしていると通路の奥で、ドンッと音が響いてきた。夢さんが上手くやったかなと思っていると夢さんが走ってきた。
「凄い音したけど大丈夫?」
「こっちはどっちも無事。夢さんも怪我は?」
「無いわ。石像は壁にぶつかってバラバラ・・・・こっちも只の瓦礫なってるわね」
「作戦大成功!」
「2人の会話聞いてたけど陽太君よく名前呼ばれただけで、遊斗君が言ってることは分かるわね」
若干呆れた表情を浮かべながら俺達を見る夢さん。そんな夢さんを見て陽太は、
「ま、だてに幼馴染やってないからな」
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