飛んで!跳ねて!落っこちる!
「何もないのかしらここ」
「いや~流石にそれは無いと思う」
「ま、進むしかないんだし行こうぜ」
何もないというのが逆にとても怪しく見える。だが、後ろに戻る道も無いし後ろからどんどん巨大テディベアが迫ってきているのでしょうがない・・・・俺達は警戒しながら何もない通路を走っていくと、前から突然大きな丸太のようなものが転がって来た。
「うおっ!?」
「セーフ!」
「突然過ぎない!?」
転がってきた丸太を何とか避けたが次から次へと丸太が転がってくる。時には丸太が繋がっているものがあり、大きくジャンプしないといけないものも有る。走りながらなんとか丸太を避けていくが、突然現れるので避けるのが大変だ。
「なんかこういうのよくゲームにあるよな」
「そうだなっ」
「あれゲームでやってる時は簡単そうに見えるけど、結構大変なのね!」
ゲームだとかなり前から丸太が転がってくるというのが分かるからタイミングを掴み易いがこっちは3m手前に突然現れるから予測できないし難しい!後ろの巨大テディベアは右フック左フックを交互に繰り出し俺達を通路からはじき出そうとしてくるし、色々と大変だ。
「あとどれくらいだ!?」
「後70mくらいかしら」
「ながっ!」
大体全体の半分は来たかな?長く続けていると、意外と慣れてくるもので丸太避けコースも十分対処できるようになってきた。巨大テディベアとの距離も十分にあるし、これは余裕かなと思っていたら突然前にある足場が途切れ途切れになった。
「え!?」
「後半はステージチェンジか」
「これ、足場少ないけど丸太絶対転がってくるよな」
「でしょうね」
一本道で何も障害が無かった道が落とし穴が現れ、足場が狭くなってしまった。さっきのギミックとの組み合わせって感じか。
「とりあえず、どんどん渡ってくか。足場が狭くなっただけでさっきと変わらんし」
「だな」
「そうね」
確かに落とし穴によって足場を気にしなければならなくなったが、根本的なギミックは変わらない。現れる丸太を避けるだけ、そこまで大きく難しくなったわけじゃない。10mの渡ったら慣れてしまったので、このステージは簡単にクリアすることが出来た。
「クリアー」
「意外と簡単だったな」
「これくらいなら楽勝よ」
「さて次は~丸太渡りか」
次のアスレチックを見てみると3つの細い道が複雑に道を作っていた。ただの一本道ではなく、右に曲がったり左に曲がったり上に下にとなかなか忙しい道だな。
「陽太先頭の俺最後尾で」
「どの道行くんだ?」
「取りあえず真ん中で」
3つの細い道が絡み合ったコースなので3人で分かれて通っても良いんだが、分断されてしまうがちょっと懸念点なので取りあえず全員同じ道を通ることにした。
「丸太みたいに丸くなくて四角だから歩きやすいな」
「そうね。よくアクションゲームにこういう一本道って有るけどこういう気分なのね」
「前に映画でこういうの見たな~確か鉄骨渡りだっけか」
横幅は15cmあるかないかぐらいの道だが、全員バランス力が有るのでスラスラと渡ることが出来ている。たまに道が途切れてしまっているので、隣や下にある道に飛渡り順調に進んでいく。後ろに居る巨大テディベアは俺達が通った場所を壊していくので後ろに下がることは出来ないが、脅威じゃない。
この油断が良くなかった。
「うおっ」
「きゃあ」
「危なっ!」
順調に進むことが出来ていたので、楽勝だと思ってたがテディベアが突然飛び上がり着地した瞬間大きな衝撃が俺達を襲った。大きな衝撃に陽太は細道から滑り落ち細道に掴まり宙づり状態になってしまった。早く引き上げてあげたいが俺もバランスを崩し、宙吊り状態に。幸い夢さんは道に尻もちをついただけで済んだ。
「すぐ引き上げるわね!」
「あ、大丈夫大丈夫」
「俺も大丈夫」
夢さんが慌てて俺達を引き上げようとしてくれたが、陽太は腕の力だけで体を持ち上げ這い上がり、俺は体を揺らしその反動で逆上がりのように道へと戻った。
「ふ~危なかった」
「油断しすぎた」
「・・・・なんか慌てて損した気分」
簡単に宙づり状態から道に戻ってきた俺達に、少し呆れた表情を浮かべる夢さん。
「流石に俺は腕の力だけで上がれないからな」
「危なかったは本当だぜ」
筋肉バキバキで運動神経の良い陽太と一緒にされては困る
読んで頂きありがとうございます!
コメント・感想・評価・ブックマークお願いします。
基本毎日投稿しており、時間は決まってません。
twitterで更新状況を発信しているので、宜しければフォローお願いします。