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短編版(N0115HI)にブクマ、評価をくださった皆様、お読み頂いた全ての皆様に感謝を申し上げます。短編版と異なる部分も出てまいりますが、主役が悪役令嬢?様を大大大好きな点は全く変化しておりませんので、どうぞよろしくお願いいたします。

 かつて、平民に圧制をしく王国が存在した。その王国は、もともとは精霊を敬い、精霊からは愛された国であった。


 精霊達からの嘆きを受け、精霊王は自分の直参と竜族の若者、そして異世界からの転生人を選び、その国を善きところに戻させようとした。

 異世界からの転生人は長年連れ添った相手を穏やかに看取り、子供夫婦と孫と心を通じ、その上で、もし自分の消息が絶えても、したいことをした結果なので決して嘆かないでくれと厳命したのちに、余生を旅をする事で過ごしていた市井の徒であった。

 精霊王は、かの人が住まう世界の高い徳を有する高位精霊に頼み、納得できる形で転生をしてもらうことに成功した。

 三人は王国に渡り、精霊達と共に国を救い、曾ての王族とそこに準ずる者達を退けた。

 その功績を称え、精霊王は新しい王国に贈り物をされた。恐れ多くも、精霊王が手ずから育てられた精霊樹に宿った特別な宝珠。精霊珠である。

 しかもそれは双珠。二つの宝珠は一つは『和』、一つは『知』を守るものであった。

 三人は前者を王宮に、後者を若き竜族が長となった学院に収めた。この学院は現在までその竜族が学院長を務めており、全ての身分の者に開かれている。

 王立学院に入学できない者であっても、全ての国民が修学の機会を得ることができるため、この国の識字率は非常に高い。

 異世界からの転生人は多くの者に国王就任を望まれたが、亡くなるその日まで固辞をし続けた。

 全ての国民が転生人を悼み、新しい国名を持たなかったこの国は転生人の名字を国名として、()()()()国王として転生人に最もよく仕えた部下が認められた。

 初代国王の意志を継ぎ、平民と貴族とで身分差別など行わず、精霊王様の願いのとおり精霊を敬い精霊から愛される国であれば、二つの精霊珠はこの国を永遠に護ると二代目国王は宣言した。民は歓喜した。

 のちに、数百年に渡る長年の務めを終えて精霊王の直参の精霊殿は精霊国に帰還されたが、現在も王国の王都、一の都市では王宮で女王陛下と王配殿下が和の精霊珠殿と共に民を、王国の学園都市、二の都市では王立学院の学院長たる竜族が知の精霊珠殿と共に学院の皆を見守っている。


 二つの精霊珠殿がこの国に存在しているということは、精霊王様のご加護が今もこのコヨミ王国に現存しているという何よりの証である。


 コヨミ王国建国史

 ――建国から現在に至るまで――

お読み頂き、誠にありがとうございます。

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