無職を追放した俺たちの末路
俺は勇者レフ。
俺たち勇者パーティは再び魔王城のある島へ来ていた。
今回はフィーナの封印式移動技であっさり着いたな。
やっぱ転移技は便利だ。
数ヶ月も歩くとか無理だっての。
無効化を無効化する能力者のラクトゥスを雇ったのも功を奏した。おかげでフィーナが再び技を使える。
「みんな、向こうに見えるおぞましい建物が難攻不落の魔王城だ。気をひきしめていくぞ!」
「なんかボロっちい城ですねぇ」
「難攻不落感ねえぞ!」
「本当だ。前来たときよりボロくなってるな」
「あ、勇者様は前にも来たことあるんですね」
「俺は今回で3回目だ。前2回はちょっとしくじったが、三度目の正直で行くぞ」
「二度あることはなんとやら」
「うるさい」
「あ、なんか立派な建物になりましたよ」
「本当だ。前来たときと同じになったぞ」
「魔王の幻術ですかねぇ」
「城をボロく見せたり立派に見せたりする幻術ってなんのためにやってるんだ」
「魔族はセンスないな!」
〜魔王城にて〜
「ええい勇者パーティの奴らめ、いきなり現れおって!城に張るホログラムが間に合わんかったではないか!」
そう嘆き怒るのは魔王ヴェルドーマ亡き後、新たに大魔王を名乗り出した元参謀官ゲべンであった。
「大魔王ゲべン様!これ以上ホログラムを張る予算はもはや現魔王軍には残されておりませぬ!見かけよりもまずは戦力の増強を……!」
「下級魔族風情が口答えするなあ!嗚呼、それもこれもいきなり魔王城が半壊するからホログラムが必要になるのだ!きっとゴキブリどもの仕業に違いない!」
実際にはクラムに魔王城の核を持ち去られて魔王城のエネルギー維持ができなくなったためである。
ゲべンが立ち退かせた『死神蜻蛉』ならば多少は魔王城に魔力を供給して支えることもできたのかもしれないが、今となってはそれを知る由はない。
〜再びレフ視点〜
「なんで俺たちは『矮小悪魔』ごときに苦戦してるんだよーー!!」
おかしいなぜだ。
クラム編を1話で終わらせる逸材が3人もいるのに。
ちなみに『矮小悪魔』とは悪魔系モンスターの最下位種、Dランクモンスターである。
多様な技で人間を翻弄させることに定評があるが、体力も低く、慣れた冒険者なら簡単に倒せる雑魚だ。
「フィーナ!お前の封印技で一発だろ!」
「今はシラウチさんの無効化能力が絶賛発動中だから私の技は使えませんよぅ!」
「そ、そうですね。すみません。あの、ラクトゥスさん、僕の無効化能力の解除お願いします」
「今解除したら『矮小悪魔』の状態異常魔法をくらう!シラウチの無効化能力が効いている今の状態でレフが剣で倒すべきだ!」
え?俺に戻ってくるの?
「それが『矮小悪魔』のやつが意外にすばしっこくて剣が当たらないんだ。誰か加勢してくれればなんとかなると思うが」
「私は無理ですぅ」
「ぼ、僕も剣とかはちょっと……」
「俺も能力特化だからモンスターと直接やり合うのは無理だ!」
「誰も何もできないってことじゃないですかぁ」
普通にパーティ構成ミスったか。
前衛が俺だけな上に、こいつら3人のうち1人ずつしか行動できないのはだめだ。
「だったらやることは一つだな。走って逃げるぞ」
「はい!」
走ってモンスターを撒いた後、
フィーナの転移技で王都の宿屋に帰った。
〜宿屋〜
「というわけで会議だ」
「会議も糞もないと思うんだが」
「ぼ、僕のせいですかね……」
「パーティ編成自体に問題がありますねぇ」
「個人的にはディードがあの後路頭に迷って自殺して怨念となって俺たちに取り憑いて弱体化させた説を唱えたいところだが、このパーティ編成はどうにかすべきだ」
「レフの想像力すげえな!」
「それで、パーティ編成を見直した結果、一つの結論に達した」
「け、結論って……?」
「フィーナの追放だ」
「ええっ!?なんで私なんですかぁ!?」




