転生時に筋肉を鍛えまくった俺は魔法の世界で無双する!俺をクビにした勇者パーティ?後悔してももう遅い!
俺の名はゴラドン。
ついさっき勇者パーティをクビになった男だ。
あのときは怒りにまかせて荷物も持たずに宿屋を飛び出してしまったが…。
ちくしょうめ…。
俺はどの世界に言ってもこんな扱いを受けるのかよ…。
実は俺には前世の記憶がある。
俺は日本という国で男子高校生をやっていた。
そのときの俺は力がなく、クラスのいじめっこ共の格好の餌食だった。
殴る、蹴るの暴力は日常茶飯事。
耳の穴にビーズを大量に詰められたり、弁当にみんなの検便をトッピングされたり、ノクターンノベルズでしか書けないようなこともされた。
俺はある日いじめの疲れから不幸にも黒塗りの高級車にはねられて死亡。
死後の世界で自称女神に出会った。
聞くと、俺は1ヶ月後に他の世界に転生することになっているらしい。
それを聞いて俺は喜んだ。
新しい世界でならきっと人生をやり直せる。
そのためには力が必要だ。
いじめられないだけの力が。
そこで俺は新しい世界に行くまでの1ヶ月間、死後の世界で自分を鍛えに鍛えまくった。
その結果いつしか勇者パーティに入れるだけの実力を手に入れたのだが…。
「はあ〜、せっかく入れた勇者パーティを追い出されたなんて言えねえよなあ。リィアに何て言おう…」
リィアとは転生後に身寄りのなかった俺が孤児院で出会った少女。
俺の妹のような存在で、俺が勇者パーティに入る前は小さな家で2人暮らしをしていた。
勇者にパーティに誘われて悩んでいた俺の背中を押してくれたのもリィアだ。
このままリィアの家にすごすごと帰るわけにもいかない。
「本当に、これからどうすっかなあ」
ドカーン!!
なんだ今の爆発は!?
「に、逃げろ〜四天王が出たぞ〜!!」
「キャーッ!!!」
「うわ〜ん、ママー!」
バサバサバサ(鳥の逃げる音)
「な、何っ、四天王だと?なんで四天王がこんなところに…?」
爆音の聞こえた場所に向かうと、
そこには黒いオーラに身を包み、赤い肌をした男。
まるで立っているだけで威圧感を感じさせてくるようだ…!
こいつが本当に四天王だと言うのか…?
『聞け、愚民共よ!跪け!地上を統べる矮小なる存在よ!我が名は魔王軍四天王の一角ゼリガ…』
ゼリガ…聞いたことがある!確か四天王の1人だ…!
そんな大物がなぜこんなところに…?
『大した用ではない…。魔王軍の力を誇示するため、見せしめにこの国を滅ぼすだけだ。それとも降伏し魔王様への忠誠を誓うか…?』
「な、なんだと!国を滅ぼすとか、降伏とか、そんなこと絶対にさせねえ!!」
『ほう、貴様は確か勇者の仲間……面白い。まずは貴様から血祭りにしてくれよう…。貴様のせいでこの国は滅びるのだ…』
「っ…チ、勇者パーティを追放された俺だが…せめて時間稼ぎくらいの役には立ってやるぜ!」
『ふん…喰らうがいい…血潮枯渇‼︎』
うっ…何だこの感覚は…?まるで身体中が干からびていくような……。
「味な真似をすんじゃねえか…だがこんなもんじゃ俺は倒れねえぜ……!」
『……!今のを真っ向から耐えぬくとは…人族は血の流れを断てば絶命するはず……貴様一体……?』
「さあ…体力だけは自信があるんでな…!血の量も人より多いんじゃねえか…?」
意地を張っているがこのまま戦いを続けていけば確実に俺は死ぬ。
この一撃に…全てを賭けるしかない…!
「今度はこっちの番だぜ……!くらえー!!俺の…全力の一撃ぃ‼︎」
ドガァッ!!
『馬鹿なっ、我が結界が…砕け……』
ズズンッ!!
『…う……あ、が…グ…ガ………あ…』
その一撃はゼリガの胸を貫き即死させるに充分な威力だった。
「か、勝った……え……勝ったのか?俺…1人で…」
〜魔王城〜
「どうしたユノ?何かあったのか?」
「ゲルディス…。ゼリガが死んだわ…一撃で結界ごと貫かれたの…」
「ゼリガを一撃で?はっはっは!冗談キツイぜ嬢ちゃんよ?そんなやつがいたら魔王様でもかなわねえよ。どうせ何かの間違いだ。はっはっは!」
「……ゴラドン…その名前、覚えておくわ…」
続きません