勇者VS魔王の戦いから追放された無能モンスター使いの俺は魔王に滅ぼされた竜人族の生き残りの王女と契約して第三勢力を立ち上げる!
俺はリヴレット。
魔物使いだ。
見ての通り…
いや、小説だから見てはないね。
お聞きの通り…知っての通り………読んでの通り?
何て言うんだろこれ。
まあとにかく俺は勇者パーティを追放された。
そう、ユミス。
俺とあいつは親友だったはずだ。
昔いじめられっ子だった俺をよく助けてくれたし
子どもの頃は2人で冒険するとも約束した。
俺が勇者パーティに入ったと聞いて一番よろこんでくれたのもユミスだった。
それなのに、あのとき俺に向けた矢。
あの矢はたしか…。
彼は勇者パーティに入って変わっちゃったのか?
それとも俺が気づかなかっただけで最初からそうだったのか?
わからない。
いや、彼のことを考えている場合ではなかった。
俺自身が今後どうするか考えていかないと。
故郷に戻るわけにはいかない。
2人で勇者パーティに入って俺だけクビになったなんて
村のみんなに合わせる顔がない。
俺としては冒険者を続けたいけど…。
くやしいけどレフたちの言ったことは本当だ。
俺は戦闘では役に立たないダメ人間だ。
モンスターを操る以外に取り柄はないし。
そうだ。サーカスに入ろう。
スライムの火の輪くぐりを見たくない?
「見たくない。帰れ」
「団長さん、そこを何とか。スライムでジャグリングもいけますよ」
「スライム1匹じゃジャグリングにならねえんだよなあ」
「スライムを耳に入れて爪の隙間から出す芸もあります」
「気持ちわりぃなお前。……そうだな。霧の森に出るというモンスター『黒鉄幻孔雀』をつかまえてきたら考えてやるよ」
「よっしゃ!さっそく行ってきます!」
「お、おい!話はまだ…」
これで王都有数のサーカス団『一芸多芸団』に入れるぞ!
早くその『黒鉄幻孔雀』をつかまえにいかないと!
って、自分よりレベルの低いモンスターはムリなんだっけ?
まあいいや。そいつのレベルが低いことを祈ろう。
「うーん。なかなか見つからないな。ピーコのクロッチ」
「あの、お兄さん!」
「へ?……うわあっ!ビックリした!!な、何してるの??こんな森の奥で」
声をかけてきたのはなんと小さな女の子だった。
14才くらい?緑のツノみたいなのをつけてる。
最近のファッションはわかんないね。
「何してるのって、それはこっちのセリフです!さっきから竜の森をずっとウロウロしてますけど、何の用ですか??」
「竜の森?ここは霧の森じゃあ…」
「ええっ?霧の森は170㎞も遠くですよ??」
「そ、そうなの!?いや〜どうりでいくら探しても、キリがなかったんだな。霧だけに。ハハハ」
「しら〜っ」
「それで、君はどうしてこの森に?」
「私はこの森に住んでるんです!なんてったって、由緒ある竜人族の王女ドーラですから!」
「ヒューマドラゴン?ウッソだあ。いいかい、竜人族っていうのはね。ずっと昔に滅びたんだよ。それに王女って…ハハハ。よし、お兄さんがバレないウソのつきかたを教えてあげようか」
「だまれ!テイルアタック!」
ゲシッ!
「いてっ!」
俺は少女のシッポでビンタされた。
「ああっ!そのシッポ、まさか本物の竜人…?」
「ようやくわかりましたか?」
「おお…本当に本物のシッポなんだ…!」
「ちょっ、シッポつかむなーー!」
「って、うわっ、気持ちわるっ!シッポの感触気持ちわるっ!ヌルってしてる!うっわ!洗わないと!ティッシュティッシュ!」
「か、勝手にさわっといてそんな言い方ないです!竜人族の大事な証を〜!私傷つきました!」
「あっ、ご、ゴメンね。でも生物の大事な部分って大抵気持ち悪いよね。君だけじゃないからね」
「なんのなぐさめにもなってない!」
〜〜〜
「で、でも本当に竜人族がいたなんてなあ。長生きはするもんだね」
「長生きって…。お兄さん何歳ですか?」
「18歳」
「私の1パーミル〜!」
「パーミル?なに?」
「そ、そんなことより、お兄さん魔物使いですよね。実は頼みがあるのですが…」
ドーラは話しはじめた。
かつてこの世界にいた竜人族のことを。
強力な力を持ち、数万年に地上の支配種だった彼ら。
俺たち人間は竜人族の奴隷だったという。
王国に伝わる伝承とはかなり食い違っているな。
伝承では人間が竜人族を使役していたはずだ。
そこに新たな勢力が出現した。
魔王である。
突如地の底からモンスターの軍勢を率いて現れた魔王。
その絶大な力の前に、立ち向かった竜人族は次々死んでいった。
当時の竜人族の勇者ドレイクは、当時奴隷だった人間の魔物使いマーウィンと契約を結び、
互いが協力しあうことで見事魔王を退けたのである。
うーん。ドレイクの奴隷だったのか。ドレイクだけに。
そしてそのドレイクの子孫がドーラだという。
「というわけで、私の…私の奴隷になってください!」
「やだ!!」
「なんでええええっ!!!!」
「なんで?はこっちのセリフだああっっ!!!」
「だって私1人じゃ戦えないんだもん!!!魔物使いと組めば力を引き出せるんだもん!!」
「じゃあ別に戦わなくていいだろ!勇者パーティにまかせておけば!」
「お兄さん…。それ本気で言ってます?」
「ああ、世界の平和は勇者パーティにまかせて……」
「まかせて?」
「うーん。おけないなあ」
「でしょう」
「でも勇者がダメでも俺たちが頑張る必要はないよ。聞いた話だと闇魔法の使い手とか、モンスターを原子レベルで破壊できる人とか、いろんなビックリ人間が魔王討伐を目指してるらしいからね」
「いいえ。私たちでなくてはダメです。竜人族の伝承では、魔王を倒せるのは王女である私と契約した魔物使いだけですから」
「そんな伝承ほんとにあるの?」
「はい、私が考えました」
「伝承じゃないよ!?それは!!」
「私が5000年前に考えたから伝承ですー!5000年も経ってるから立派な伝承ですー!」
「なんかそれおかしくない!?」
「でも俺を奴隷にすることないだろ。たとえばコンビを組むとかでいいじゃん」
「コンビ、ですか?……なるほど。わかりました!お兄さん、私とコンビを組んでください!」
「やだ!!」
「だからなんでええええええっ!!!!!!」
「だからなんではこっちのセリフだああああああっ!!!」
続く
続きません




