商人風情がパーティにいること自体ダメだろ
俺は超絶最強勇者レフ。
前回はザムラ扮するゴブリンに襲われたり
国王に理不尽な説教を喰らったり
いろいろ面倒なことがあったわけだが。
そんなことでへこたれる勇者パーティではない。
ティミアの時魔法でレベルアップ速度を加速することによって効率のいいレベル上げを実現。
さらに稼いだ金で強力な装備を購入して攻撃力、防御力ともに飛躍的に上昇。
ゴブリンの群れを一撃でまとめて倒せるほどの実力を得た。
この調子ならザムラはもう敵じゃねえなあ!
例え寝ている間に襲って来ようが返り討ちにしてやるよ。
つーかもう俺が殺してるのかもしれねえな。
ゴブリンの群れに混じってたとかで。
ははっ。
悪いなザムラ。2回も殺しちゃってさ。
しかしまあ考えてもみてくれ。
人は誰しも間接的に他人を殺してるんだよ。
だからそう落ち込むな。
お前は運がなかっただけだ。
自分の無能さを地獄で恥じてくれ。
無能?
そうだ。無能で思い出したけど、
実はもう1人いるんだよ。
うちのパーティに無能が。
「というわけでウルマ。お前は俺たちのパーティから抜けてもらう」
「えええっ!!なんでえっ!?ボクなにか悪いことした!?」
「無能は存在が罪ですもんね」
「ボクは装備品を買ったりドロップアイテムを売ったりいろいろしたのに!なにがいけないの!?」
「もちろんそれには感謝している。ウルマは王都で手に入る最強の装備も買ってくれたし、冒険に必要なアイテムも安く大量に購入してくれた」
「だったら…!」
「でもさあ。それってつまりもう買う物がない、用済みってこと。そうだろレフ」
「そうだ。既に俺たちは各々の最強装備、エリクサー、聖水、魔石、魔獣餌、各属性攻撃アイテム、各種補助アイテム、その他諸々を99個ずつに、金貨99999枚。これ以上アイテムを持つ必要はないだろう」
ん?
こんなにたくさんどうやって持っているのかって?
アイテムを収納するためのアイテムってのもあるんだよ。
まあそこはあんまりツッコまないでくれ。
「そ、それは全部ボクの買ったアイテムだ!それにボクのお金も!!返してよ!!」
「いいや、これはお前がパーティのために買ったもの。つまり俺たち勇者パーティの共有財産だ。ということはパーティリーダーである俺のものだろう」
「それはひどいです!」
「どうしたティミア」
「この可愛いアクセサリーとお洋服は私のものですからね!」
「ああ、はいはい」
「そ、そんなあ…ティミアさんまで!」
「うちのパーティは無能には厳しいからな」
「で、でも戦闘では役に立って…」
「戦闘のときウルマくんは補助アイテムとか攻撃アイテムを使っているだけですよね。つかえなーい」
「アイテムなら誰かが手があいたときに使えばいいからウルマの存在意義はないよ」
「それどころかウルマは子どもで背が低いからモンスターと戦うときに邪魔だ」
モンスターというのは序盤のものを除けば基本的に人間よりデカい。
だから戦闘中は必然的に上を見上げる形になる。
すると目線の下にいるウルマが見えにくくなるのだ。
モンスターの方に走って斬りかかろうとしたら間にウルマがいたら怖いし。
「しかも使うアイテムの選択もゴミだ。攻撃アイテムを使ってほしいときに補助をかけられたり、回復アイテムの使用が遅いことも多い」
「え、アイテムを間違う?そ、そんなことあった?」
「めっちゃあった」
「日常茶飯事ですよ」
「そ、そっか。でもボク子どもだから…」
「黙れ!」ドン
「子どもであることを言い訳にするな!俺たちは世界を救うために集まったんだ!世界を背負って戦っているんだぞ!!子どもだから負けました。世界を救えませんでした。では済まされないんだ!!」
「うぅ…うえ〜ん」
うっわ泣き出したぞこのガキ。
つーかこいつ他人を追放するときはノリノリで罵倒してたよな?
「とにかく君はもう用済みなのさ。早く荷物を置いて出ていくんだね」
「う…う…でも…」
「金でも欲しいのか?あさましい。お前に渡せるのはせいぜい薬草1枚だ」
「薬草1枚でももったいないです。って言うかウルマくん、この前私の湯くみをのぞいてましたよね?」
「うっ」ギクリ
「え?マジで?」
「え、いや、それは、えっと…その…ははは」
「この反応は本当っぽいなあ」
「つーかお前泣いてねえじゃねえか!嘘泣きかよ!」
「あっ、その、す、すみませんでしたー!」
ピュー
ウルマは宿屋を飛び出していった。
「逃げ足はえーなあいつ」
「さっきの私の嘘だったんですけどほんとにのぞいてたんですね。いしゃりょーもらえばよかったなあ」
「君が1番怖いよ」
「ところでなんですけど、これから旅は3人でする感じですか?」
「いや、後釜はちゃんといるぞ。リヴレット、紹介してやれ」
「そういえば紹介がまだだったね。カモン!ユミス!」
ピッピュー
なんで急に口笛を吹くんだ。
するとリヴレットの口笛に呼応するかのように
部屋に1人の青年が入ってきた。
「紹介するよ。彼はユミス。俺の故郷の村の幼なじみで、こう見えて頼りになる男さ」
「どうも。僕は弓使いのユミス。あこがれの『真実の一眼』に入れるなんて光栄だ。ティミアさんとは初めて会うね。よろしく」
「い、イケメンさんだ…。よろしくお願いします!」
「おいティミア。イケメンならここにもいるだろ?」
「え、あー。そうですね。いますね」
「おい!」
そんなこんなで俺たちは無能を追い出して新メンバーも加入し最強パーティとなったのであった。
めでたしめでたし。




