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おわり

「アンティスト様。ありがとうございました。おかげでどうにか身なりが整いました」



おおー!キチンとした格好をすれば、めっちゃいい女になった!俺がなんとなく選んだ、落ち着いたブルーのスレンダーラインという形のドレスが、ララミラの楚々とした奥ゆかしい美しさを最大限に醸し出してるぞ。


 この子は、清廉な中に色気をちゃんと隠し持ってるから、大人っぽいスラリとしたドレスがよく似合う。襲ってやりたい気持ちにさせるんだな。きっと。


 良い雰囲気になったら、どうかな?誘えるか?って、男に思わせるウブな面も窺えるからいいんだな。


 こんな女が一番長く楽しめるんだよ。派手派手しい女、軽い女、綺麗なだけの女は直ぐ飽きが来るんだよな。何度でも噛んで噛んで楽しめる女が俺は好きだな。って、俺の好みは置いておいて、王宮にあったドレスとメイド達のメイク術で、すげー変わったな。


 

「綺麗ですね。ララミラ嬢。その上、絵の才能まで有るとは恐れ入ります」


「そんなこと。描くことは小さな頃から大好きで、私の目に映る綺麗なものをその最大限に美しい瞬間を、私はえがきたいのです。今やっと……毎日、どんな時間描いても大丈夫だという生活になれて幸せなんです。


 私の私物が無くなったことは、調べないでください。お願いします。数枚の服で皆様の気持ちが落ち着くのなら私は気にしません。とにかく描ければ嬉しいですから」



ララミラは、わかってるんだな。馬鹿ではないということか。深追いして、物事を大きくしたくないと、釣れたのが小物なら良いが、大物まで釣れるとおいおい面倒くさくなるからか。だがな……



「そうですね。貴女の気持ちはとても良くわかりますが、それを判断するのは貴女ではありませんよ。私は立場上、貴女の出来事を知らせねばなりません。


 それは貴女が、王族である皇女の肖像画の画家になる名誉を得ているからです。貴女に何かあると、皇女の危険にも繋がるのですよ。わかりますね。ララミラ嬢。貴女にはこれから立場が出来ます。今なら逃げる事はできますよ。どうされますか?」



さて、ララミラはどうするだろう。今更辞めるとか言われたら、俺的に困るのだが……王が、結婚前の皇女の近くに男の画家は駄目だと、いきなりわがままなど言うから、描く気満々だった王宮画家が弟子でも使って、こんなチンケな事をしでかしたんだろうよ。


 女の画家はなかなか居なくて、探すのも苦労したらしいからなぁ。俺のせいで変更になったらやばいな。これはもう、近衛を辞めろというお告げかも知れないな。ララミラが断るなら俺も一緒に辞めようかな。



「アンティスト様!私は女流画家として、生きていきたいです。女だからとか、貴族の女は結婚しか道はないなんて言われたくないです。私は皇女殿下を一番最高に綺麗に描けると自負しています。私に描かせてください!!」


「そうですか。それでは、皇女の元へ参りましょう」



あーよかった……のか?俺は辞めたいのだろう。


 あーチクショー辞めれなかった!!王族のわがまま聞いたり、団長の奥方の惚気を聞かされたり、騎士達の世話をしたり、王宮の女達の周波を浴びて防いだり、貴族達の婿に等と言う戯言を知らぬフリをしたり、令嬢達の誘いを巻いたりと日々面倒な事ばかりだ。





 そんな俺が、一年後。ララミラと恋愛結婚等するなんて、誰が想像しただろう。


 俺自身も想像してない事が起こったんだ。



人生って面倒だか、楽しく面白いな。




 




the end


 

サクサク終了です。ご覧頂きありがとうございました

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