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8ゴリ 寝るときは全裸やないで?コレマジやから!!





寝るときは皆どんな風に寝る?

いや、目を瞑って寝るんは言わんでもわかる事やで?

まぁ、目ん玉かっぴらいて寝とる奴もおらんわけやないけどな。


そういう意味やなくて、どんな態勢やとか、どんな枕やとか?まぁそんな感じやな。

あとはパジャマはどんなんか?とか全裸か?とか

横向きが多いとか、うつ伏せやとか、仰向けやとかな。

逆立ち?逆立ちは流石におらんやろ。それもう絶対起きとるやろ。なんかの修行中か何かか?


俺は…どうやろうな、気ぃついたら寝とる感じが多いかなぁ。

目ぇ開けて寝たり、逆立ちや全裸では流石に寝とらんけど、せやなスタンダードに仰向けが多いんちゃうかなぁ。

起きたら可笑しな態勢になっとる事あるから、寝相がむっちゃ悪いんやろうな。




「そして、いい加減起きろや!」

肩に担いどる猫に怒鳴る。

マドロミは未だに眼玉をギンギンに開けて寝息を立てとる。乾燥すんぞ!

俺はゴンに呼びつけられ、マンボウ農園に駆け出した。


そういや、ゴリラになってこっち持久力や筋力がついた気がすんな。

ゴリラの恩恵やな。

転生前はほんまにただのオッサンやったからたまの休みも仕事疲れで寝とるだけやったし

バイタル的にだいぶ若返った気ぃするわ。

しかもただのゴリラやない。転生したオッサンゴリラやからな。そこらのゴリラやないからな。どうでもええけどな。

せやから、農園までダッシュしても息切れ一つしとらん。

後ろの方ではゴンが無様にも虫の息で死にかけとる。ざまあみぃ。とか思う。


「おぶったろうか?」

「だ、大丈夫だよ。」

ボケにキレを感じひんなぁ。

まぁ、件のマンボウ農園には到着したわけやけどな。

…って、


「なんやこれ!?どうなっとるん!?」ドカーン!!

こんなおかわりな薄味のリアクションをしてしまう。もっとリアクションにレパートリー増やさなあかんな!

農園は、今朝と同じようにクッチャクチャの荒れ地と化しとって、見る影もない様子やった。

柵とかの破片が粉々に散らばっとって、今度は掘立小屋すら無くなっとる始末やった。

欲しがり屋さんか!

そして、その荒れ地となった畑のど真ん中には雪の塊が一つ。


「ネネさん!」

駆け寄るとネネさんはショックで全身が硬直しとるのか目を見開き全身のところどころが紫に変色しとった。

「ひどい!こんな美しいネネさんをこんな無残な姿に!誰が…いったい誰がこんな酷い事をしたんや!許さへん!絶対に許さへんからな!

うぉぉぉおおおお!!!!」

全身の筋肉という筋肉から怒りの雄たけびをあげ、金色のゴリラになりそうになるような怒号が鳴り響く。

「あら?私ったら寝ちゃったのかしら?おはよう。皆さん。どうかしたの?」

「・・・・・・・・」

「オーカワさん、そんな握りこぶしで、とっても勇ましいわあ。流石男の子ね。」

「え、あぁ、そうでしょう?ボク、毎日、夜中に寝る前に握力トレーニングをしてるんですよ。あと発声練習も。」

「そうねぇ、でも発声練習は夜中は控えないとダメよ?ご近所迷惑になっちゃうからね。」

「あぁ、やっぱりそうですよねぇ。これからはボクちゃんと気をつけますです。」

「オーカワさん、ビックリしすぎて関西弁じゃなくなってるよ。」

「ウホ!!?」


「私ったら小さい頃から目を開けて寝る癖があって、恥ずかしいわ。」

「だ、大丈夫ですよ。そんなネネさんも素敵やと思います。人…ウサギやけど、誰でも恥ずかしいところの一つや二つあるもんやと思います。

俺もいま寝る時は全裸ですし…いや、これは決して普段から全裸で寝るっちゅう生活習慣があるわけやなくて、スカジャンしか着るもんがないからです

からね!誤解せんといてくださいね!キモがらないでくださいね!」

「オーカワさん、とっても早口ねぇ。」

恥ずかしいところを全力で露見させただけやった。

「穴掘ってそのまんま埋まってしまいたいわ。」

「ゴリラって洞穴で生活する生き物だったっけ?」

「比喩や!」

どうでもええツッコミすんな!

「ところで…」

と今朝まではちゃんと畑であり、農園やった辺り一面を見渡しゴンは言う。



「妹のノノちゃんの姿が見えないんだけど…」

「そういやそうや!アイツおらへんやん?どこ行ったん?」

「ノノちゃん、犯人追いかけてっちゃったの。」

決定的な発言やった。

「「犯人!?」」

俺もゴンも絶句した。

「え、じゃぁ、ネネさん犯人の姿見てるんじゃない?気絶してたじゃん?」

「それがよく見えなかったのよね。大きな影をネネちゃんが追いかけるところしか見えなくって、そのまま私眠くなっちゃって…恥ずかしい。」

「可憐や。」

照れるネネさんは美しい。解語の花っちゅう言葉が実に似合う!

「オーカワさん、勝手にボケ倒さないで!問題はそこじゃない。」

「問題あらへん。ネネさんは美しい!」

「収拾つかないよ…」

「大きな影…っちゅうと何やろ?熊かなんかか?ノノじゃ適わへんやろ。」

下手に煽って粉々にされる光景が目に浮かぶわ。

「熊とかだったら変な紫の液体なんて出さないでしょ。というか、畑を荒らした犯人が今朝と同じなら魔物でしょ。そういう話をしてたじゃん。」

っとゴンに言われて思い出した。そういやそんな話やった。

「それでネネさん。その犯人とノノちゃんはどこへ行ったんですか?」

「多分、あっちかしらね。」と彼女は可愛らしい指をさす。その方向は山の方。言うてあっちもこっちも山ばっかなんやけどな。



その方角を聞き、俺達はノノが向かった先を目指す事にした。

ムカつくクソウサギやけど、心配そう…かはわからんけど愛するネネさんの妹やから仕方なく、助けに行ってやることにした。

アーシンパイダナー!

後ろの方ではネネさんが「車に気を付けてねぇ」っと言ってくれる。

車なんて走っとらん…走っとってくれたら俺は大歓喜やったろうけどな!ものにもよるけど。



「ところでゴンよ…。」

「ん?」

「お前、ネネの事、『ちゃん』付けなんやな。」

「それがどうかした?」

「きっしょいな!」

と俺は言うてやる。

いや、待てアイツ風に言うなら、「すっキモ!」やな。

「わざわざ言い直さないで!」



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