表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
(投稿練習用)猫地球  作者: 北川エイジ
1/1

第一部

 十九歳の女主人公が異界で活躍する異世界ものですがとくにエンタメではないので純文に設定してあります。三人称→一人称の構成になってます。


第二部は現在推敲中です。


PS 猫地球という言葉は〈TAMALA2010〉からきてます。構造は〈君の名は〉をちょっと参考にしてます。じゃGTRは? GTRはですね、〈湾岸ミッドナイト〉からきてます。そういういろんな要素をからめたお話です。




     1


 翔子がたばこの箱を取り出したとき、こじんまりしたスポーツカーが駐車場に入ってきた。くすんだ黒色の外観を一見し国産車であることしか翔子にはわからず、それから元がMR2であることを気づくのに一分ほどの時間を要した。そのクルマは全身に均整のとれたエアロパーツを纏っておりまるきり別のクルマに仕上げられていたのだ。それはともかくとして運転席の男は屈んで何かの作業に没頭しておりなかなか車から出てこない。不思議に思いつつ翔子がたばこに火をつけつつ見ていると、その若い男はぱんぱんに膨らんだ白いレジ袋ふたつを両の手に持って車から出てきた。彼はまっすぐ店舗入り口脇に置かれたごみ箱に向かうとガシャガシャという不快な音を鳴り響かせながらレジ袋を押し込んでいる。改良されたごみ箱は入り口を狭くしてあるため彼は一生懸命にレジ袋をつぶしつつ押し込んでいた。それが済むと彼は車に引き返しふたたびレジ袋をふたつ両手に持って出てきて同じ作業に取り組んだ。完全に家庭ごみである。彼はごみ出しを終えるとそのまま車に乗り込みバックさせ、来た道を帰ってゆく。清々しいまでの節約行為である。そこには現代を象徴するコストカット意識がまるで戒律のように息づき、確かに適合の一形態だと認めざるをえないものがあった。そう、彼は彼で時代の声に従っているのだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ