プロローグ
ケモナーですよ。
正確にはハチュラーです。
でもこの物語はケモナーですよ。
両手を地面に力強く踏み込むと、雨によって出来た水溜まりに偶然入ってしまった
泥水が同時に吹き飛び、自分の顔に飛びついてくる
ジャリジャリとした感触と冷たい温度に嫌悪感が生まれる。
でも今はそんなことどうでもいい。
僕は両手が地面についてる内に後方の両足で濡れた地面を蹴った。
僕は今、四足歩行でこの大雨に見舞われた樹海の中を駆けめぐっている。
別に四足歩行が趣味な訳ではない。かといってこれが何かの訓練か特訓でもあるはずがない。
逆に四足歩行の訓練があるなら聞いてみたいものだ。
動物を模した訓練なんてせいぜい兎跳びくらいしか思いつかないけど、それでも二足歩行だ。
こんな訓練、人間の体で実行していたら即、関節やらなんやら壊していたに違いない。
だが、今の僕はそんな常識を泥水で塗りつぶすかのように覆した。
僕はそのまま四足歩行で、軽々と緑の大地を踏んで、飛んで、駆けていた。
雨に濡れるとやはり冷たいが、この樹海をイヤというほど走り回り、体温ががってきているのでたいして気にはならなかった。
僕は人間だった。
確かに昨日までは人間だったんだ。
何があったか思い出せないけど、僕の体に何かが起こったのは違いないのだ。
あの日、僕の人生は犬生に変わった。
・・・後から編集します。
黒歴史☆