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一人の決意

Eros

ピンポーン。

どこかまぬけなインターホンの音に応え、出てきたのは、航一だった。

「よう、久しぶり。メール、返信したろ?わざわざ来たのか?」

航一は、別に来てほしくなかったわけではない。

ただ、珍しいな、と思っただけだ。

「いや、そのことじゃねえんだけど……」

さて、どう言ったものか。

「岬さん、今いるか?」

航一は、にっこり笑うと言った。

「ウチの嫁さんに、なんか用か?」

その笑顔からなにかどす黒いものがあふれているように見えたのは、

決して気のせいではないと思う。



「ほー。女子高生に手を出した、と」

「出してねえ」

うんざりした顔で洋一は言った。

くそ、兄貴のやつぜってえ楽しんでやがる。だから言いたくなかったんだ。

岬は買い物に出ているそうで、もうすぐ戻ってくるそうだ。

そう言われればそうだ。最近曜日感覚がなくなっていたが、今日は土曜日。

この時間帯なら夕食のための買い物だろう。

「ほお。じゃあ、手を出したい、と」

とっさに反論できず、洋一は兄を睨んだ。

「悪かった。睨むなって」

ひらひらと手を振った航一は、兄弟なだけあって、引き際を心得ている。

「……そういうことじゃなくてさ。ただ、アメリカに行くことになった、って、直接言って」

「あわよくば仲直りしたい、と」

洋一は、今度は反論しなかった。



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