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はじめてのクエスト

あれから10日が過ぎた。


 私は夜が明けた後、エスティの髪飾りを近くの町で売り、町の外で待つエスティの服を適当に見繕って買ってきた。絹のローブとその下に着る服だ。非常に軽いので何かあったとしてもすぐに逃げ出すことができる。髪飾りが思いの外高く売れたので、余ったお金で私の服も購入した。さすがに鎧も何も無しでは、何かあったときに自分の身が危険だ。エスティを守ることができない。私は比較的動きやすい胸当てを購入し身につけた。

 購入した服は少しサイズが大きかったが、それでも冒険者らしい格好になった。エスティと合流し、着替えを済ませたあとは、ガストール帝国の影響がまだ及んでいない南の国、イリスティア王国のレスドゥの町を目指して移動を開始した。

 ここまでは特に問題無く事は進んだ。ガストール帝国無いではラングノート王国の王女の姿がないことは特に問題ではないのだろう。途中の町で宿を取ったが、特にお尋ね者として指名手配されていることも確認されなかった。

 5日後にはイリスティア王国領レスドゥの町に入った。私たちはしばらくここを冒険者としての活動拠点とすることに決めた。

 まずは冒険者ギルドに向かった。ここは二階建ての建物となっていて、一階はギルドの受付となっていて冒険者ギルドを管理するギルドマスターがいる。さらに酒場も兼ねているらしく、仕事クエストを終えた冒険者が酒を飲み冒険談について語り合い、盛り上がっている。そして、二階は冒険者たちの宿屋となっている。私たちもこの宿屋を一部屋借りて拠点とした。

 一通り荷物の整理を終えた後、早速最初のクエストを受けることにした。

 冒険者登録はそれほど時間はかからなかった。私たちの素性については聞かれなかったが、一言言われたのは「全ては自己責任で」ということだ。つまりは、冒険中に命を落としてもギルドは責任は取らないと言うことだ。まぁ、これは当然と言えば当然だろう。

 とりあえず私たちは一番簡単な「宅配」の仕事を引き受けた。物資をレスドゥの町から片道2日の村へ届けるという仕事だ。

 一番簡単な仕事と言うだけあって特に問題も無く物資を届けることができた。そして私たちは報告のため冒険者ギルドに戻ってきた。冒険者ギルドのドアを開けるとドアに取り付けられたベルがカランコロンと鳴る。

 「あーっ!終わったー!」

 やり終えた感丸出しのエスティの声。マスターもそれに反応して「ごくろうさん!」と私たちに声をかける。

 「って言っても簡単な配達の仕事だけどね。」

 「いいや、配達だって冒険者の立派な仕事だ。あの村へ向かう道は野獣が現れて危険なんだ。だから俺たちのような冒険者が必要なんだよ。」

 「そういうこと!」

 「なによぅ、まだ駆け出しのくせに!」

 「はっはっは!それだけ元気があれば将来が楽しみだな!」

 「さぁて、次はなんの仕事があるかなぁ?」

 「ちょっと、終わったばかりでしょ!休むことも考えなさい!」

 この会話からも分かるとおり、今の私はエスティの仲間と言うよりは保護者というべき立場となっている。以前のような清楚な面影はこれっぽっちも残っていない。むしろ、これが本来のエスティという人間なのだろう。でもこんなエスティでも問題無いと思う。私は今の明るいエスティが大好きだ。

 そんなエスティ達とのやりとりの最中、再び冒険者ギルドのドアが開き、ベルがカランコロンと鳴る。

 「よぉマスター。クエスト探しに来たぜ。」

 「おう、ギンスたちか。」

 入ってきたのは少し小太りで顔は髭で覆われた男だ。私が見た限り、年齢は40程度だろう。そして、そのそばにはその仲間らしき男が二人付いてきている。彼らは私たちの姿をみて話しかけてきた。

 「おっ、おまえら新入りか?」

 「初めまして。私はリースと申します。そして、あちらがエスティ。私のパートナーです。」

 「おう、俺はギンスだ。でも見たところガキで女じゃねぇか?こんなのが冒険者なんてできるのかねぇ?」

 「なぁぁんですってぇぇ!?あんただってそんなデブでヒゲもじゃのくせに冒険者なんてできるの!?」

 確かにこの体型ではパワーはありそうだが動きは鈍そうだ。冒険者に向いているとは私も思えない。むしろ今まで冒険者をやっていて生き残ってきたということ自体が疑わしい。

 「それにわたしはともかくリースはガキじゃなくてオバサンって痛った~い!」

 すかさずエスティの頭にげんこつを入れる。一言多い。これでも私はまだ26歳だ。まだオバサンと呼ばれる部類には含まれてはいない・・・はずだ。

 しかし、女で子供だというだけで冒険者は無理だと言われるのは私も看過することはできない。

 「失礼ですが、まだ駆け出しとはいえ、見かけで判断するのはいかがかと。」

 「ほう、じゃあ、勝負といこうじゃないか。そうだなぁ。」

 ギンスはギルドの壁にたくさん貼られたクエストを眺め、その中から一枚はがして私たちに差し出した。

 「このクエストをどちらが先に達成できるか勝負だ。それに勝てばおまえらの事を認めてやるよ。」

 「いいじゃない!のぞむところよ!」

 即答するエスティ。

 「ちょっと・・・マスター、いいんですか?」

 「俺としてはクエストをきちんと達成できれば問題ねぇ。いいんじゃねぇか?おもしろそうだし。」

 私ははぁぁと深いため息をつく。本来ならばこんな奴らなど多少不愉快ではあるが無視してしまいたいところだった。しかしこうなってしまった以上受けて立つ以外に無い。

 「よし、決まりだな。じゃあ俺は準備があるからこれで失礼するぜ。後れないようにせいぜい頑張ることだな。はっはっはっ!」

 そう言い残して、ギンスとその仲間達は冒険者ギルドを後にした。

 「うーー、負けるもんですか!リース行くわよ!」

 「だから待ちなさいって!」

 ギルドを飛び出そうとするエスティの服を左手で掴み、右手でクエストの依頼書を確認する。エスティはあれだけ言いたい放題言われて相当いらだっているようだ。しかし、こういうときこそ落ち着いて行動をしなければならない。そもそもどんなクエストなのかも分からない。

 改めてクエストの内容を確認する。

 「えーと、数日前に近くの洞窟に入っていった人の遺留品を捜すのね。」

 依頼者はその冒険者の家族か恋人だろうか。

 ギルドマスターに詳しい話を聞くと、その洞窟では宝石がたくさん取れていたそうだ。今では野獣が住み着くようになり今では採掘は行われていない。しかし、中を探索した冒険者が実際に宝石を持ち帰って来たといことから話が広がり、今でも探索に入る冒険者が後を絶たないらしい。中には実力が伴わない冒険者もいて、そういうやつが命を落とす結果となる。

 「ちょっと初心者には厳しい内容だけど、どっかのバカが引き受けちゃったからしょうがないわね。」

 「誰がバカですってぇ!?」

 何も言わずエスティを指差す。

 「うぅ・・・」

 「まぁ、今日はもう遅いし、あいつらも明日出発するって言ってたから、今日は休みましょう。休むことも大事よ。エスティ。」

 「はぃ・・・」

 「なによぉ。落ちこんじゃってぇ。あなたらしくないわよ。」

 「そうよね!よし、明日は頑張るわよ!」

 この子は立ち直りが早い。




 夜が明け、私たちはギンスとの勝負のため、レスドゥの町近くの鉱山跡までやってきた。鉱山の中は一歩入ると真っ暗で何も見えない。私は用意しておいたたいまつに火をつける。火をつけるのはエスティの役目だ。エスティが現在唯一使える魔法『ファイアボルト』は目標の近くに火を起こすことができる。

 たいまつに火をつけても見えるのは自分の周りだけで鉱山奥の方は全く見えない。

 「うわぁ、暗いよぉ、怖いよぉ。」

エスティはこの状況に対して恐怖に震えている。

 「エスティ、離れちゃだめよ。何が出てくるかわからないんだから。」

 もしかしたら暗闇の中から野獣が飛び出してくるかもしれない。私たちは十分に警戒しながら鉱山の奥へと進んでいった。

 「うわあぁ!あそこに人が倒れているよぉ!」

 先に発見したのはエスティだった。まだそれほど奥に入っていったという距離ではない。その人の姿は、服はボロボロに引きちぎられ、体中に傷が付いている。その周りには血痕も残っている。すでに息はないようだった。鉱山に入ってすぐに野獣に襲われたのだろう。

 私たちはその人の近くに近づこうとしたとき、何物かの気配を感じた。

 「まって、何かいる!」

 野獣がこちらを狙っている。

 「ウルフよ、エスティ、たいまつパス!」

 「えっ!?ちょっ!まっ!熱っ!」

 そう察した私は手に持っていたたいまつをエスティに投げ渡し、鞘に収められている剣を引き抜き身構える。

 次第にこちらを狙っている野獣の姿が確認できた。ウルフが4匹だ。じっとこちらの方をにらみ続けている。

 実は私は対人間では訓練で何度もたたかったことがあるが、人外とたたかうのは初めてだ。しかし、基本的には今までの訓練と同じはずだ。そしてなにより私はエスティを守るという責任がある。なんとか私一人で4匹を倒さなければならない。

 先に動いたのはウルフ2匹だった。

 まっすぐにこちらに向かって飛びかかってくる。

 これならば人間相手よりも相手しやすい。

 私はウルフ達に向けて剣を振るう。ウルフたちの体は真っ二つに引き裂かれ、地面に倒れた。

 「あと二匹!」

 残る二匹も続けてこちらに向かって飛びかかってきた。同じように剣を振るう。私の剣は一匹のウルフを切り裂いた。しかし、もう一方のウルフの体には命中しなかった。私の剣は空を切った。そしてそのウルフは目標をエスティに変え、今にも飛びかかろうとしている。

 「しまった!」

 「いやあぁっ!こっち来ないでえぇっ!」

 私は素早く体勢を整え、エスティを狙うウルフに斬りかかる。

 だが、その前にエスティの現在唯一使える魔法が発動した。

 「『ファイアボルト!』」

 ウルフの体で発火し、その熱さに悶えるウルフ。そしてその動きは止まり、完全に絶命した。

 「はぁ、はぁ・・・や、やっつけたの?」

 「ふぅ、どうなるかと思ったけど、やるじゃない、エスティ。」

 その場に座り込んでしまうエスティ。

 「どうしたの、座り込んじゃって。」

 「こ、腰が抜けちゃった・・・」

 私はその台詞に吹き出してしまった。まあ、エスティにとっては初めての実戦だ。人によっては失禁してしまう人もいるという。そうしなかっただけでもましかもしれないが。

 「ふふ、しょうがないわねぇ。でもまだクエスト終わっていないんだから。」

 「う、うん。」

 私はエスティに手を差しだす。エスティがその手を掴むと私はその手を引き、エスティを立たせた。

 さて、驚異も去ったことだし、次にやるべき事は。

 「じゃあ、あの人を調べてみましょう。」

 「え?あの死体?」

 「そうよ。じゃ、行ってらっしゃい。」

 「え!?私が行くの?」

 「冒険者になるんだったらこんなの普通でしょ。練習練習。さ、行ってきなさい。」

 半泣きになりながらも死体に近づくエスティ。

 「うー、やだよう、こわいよう、きもちわるいよう。くさいよう。わー変な虫わいてる~。」

 ・・・この先この調子で大丈夫だろうか。

 「あっ、手に握っているのでいいかな?よっと。リース!取ったよぉ!」

 「ご苦労さん。さぁ、帰るわよ。」

 「あーん、もうここにいたくない。早く帰ろう。」

 「ちょっとまって!」

 背後から気配を感じた。一つではない。別の野獣だろうか?しかし、こちらに向かってくる気配はない。野獣ならばすぐにこちらに向かって襲ってくるはずだ。これは明らかに人間の気配だ。私たち以外にここに来る人間と言えば・・・

 「でもその前にやらなくちゃいけないことがあるみたいね。そこにいるのはわかっているのよ。物の陰から私たちを襲って奪い取ろうという魂胆かしら?」

 えっ、何?という顔でこちらを見るエスティ。この気配には全く気づいていないようだ。

 「ぐっ、そこのガキはともかく、ねーちゃんの方は出来るみたいだな。」

 暗闇から現れたのはギンスだった。他にその部下と思われる男達が4人いる。

 「こうなったら仕方がねぇ。おまえら、人数ではこちらが上だ!一気に潰してしまえ!」

 男達は私たちを取り囲んだ。手には長さ80センチ程度のショートソードを手にしている。

 「あわわ。どうしよう、リース!数もこっちが少ないし!」

 敵は一斉に襲いかかってきた。

 「魔法で援護する?でもたいまつ持ちながらだとちょっと動きづらいかも。」

 まっすぐにこちらに向かってくる。これならば動きは読みやすい。これならば私一人で・・・

 「ちょっとリース!聞いてるの!?」

 「あーもううるさい!だまってそこで見ていないさい!」

 そう叫ぶと手にしている剣を振るい、襲ってきた男達を一瞬で切り裂いた。こんな卑怯者には手加減は無用だ。血を流しその場で倒れ込んでしまう男達。やはりまともな剣の訓練を受けていないただの雑魚だ。きっとギンスは町のスラム街に住むゴロツキ共を少ないお金で雇ったのだろう。これならば王宮の兵士達の方がまだましだ。

 「なに!?一瞬で全滅だと!?」

 「『ガキに冒険者ができるか?』なんて言っていたわよねぇ?だったら私に勝つことも余裕って事よねぇ?だったらここは正々堂々、1対1で勝負しようじゃない?」

 「・・・ぐっ、お、覚えていやがれ!」

 ギンスは大きな巨体を揺らしながら鉱山の入り口の方へと走り出した。あの巨体の割には逃げ足は速い。

 「リース!すごいじゃない!」

 「まぁ、これぐらいは余裕よぉ!」

 すでに目的は達成された。ここに長居は無用だ。また新たな野獣が現れるかもしれない。私たちは足早に鉱山を後にした。




 私たちはレスドゥの町の冒険者ギルドに戻ってきた。日はすでに傾きかけている。ギルドの扉を開き、カランコロンとドアに取り付けられたベルが鳴る。ギルド1階に併設された酒場はクエストを終えた冒険者達が冒険談を語り合って賑わっている。そんな中、エスティがマスターのいるカウンターに一直線に歩いて行き、開口一番、

 「マスター!ちょっと聞いてよ!ギンスのやつ、『勝負だ!』とか言っときながら暗闇を背後から襲って報酬を奪おうとしていたのよ!もう最悪、最低!なんであんなのが冒険者やっているのかしら!もう信じられない!」

 「まあまあ。でもこうしてちゃんと無事に帰ってきたじゃねぇか。俺はおまえらだったらちゃんと勝負に勝てると信じてたぜ。ギンスにも良い薬になっただろうよ。」

 「えっ、それってどういうこと?」

 私はマスターの言葉に対して聞き返す。気になる点は二つ。『おまえらだったらちゃんと勝負に勝てる』という事と『ギンスにも良い薬になった』という事だ。後者の方はおそらくギンスの今回の手口は今回が初めてではなく、常套手段だったと言うことだろう。最初に出会ったときもそうだが、全くけしからん奴だ。

 だが、前者の方は全く予想が付かない。なぜマスターは私たちの実力も知らずに大丈夫だと確信したのだろう?

 「リース、おまえが持っている剣。」

 マスターは私の持っている剣を指さす。

 「そんな立派な剣は並の冒険者じゃ持っていないよ。きっとどこかで特注で作ってもらっていた剣だ。だったらその持ち主も相当の腕前ってことだ。」

 確かに私の持っている剣は、私専用に特注で作ってもらった剣だ。しかも王宮に仕えていたため、その剣には豪華な装飾が施されている。確かにこのような剣は一般の武器屋には売られていない。当然他の冒険者は持つことができない代物だ。

 「じゃあ、こうなることは予測して勝負させてたってことね・・・」

 「まあ、今回の件でおまえらの株は急上昇だ。ワンランク上のクエストも安心して任せられそうだぜ。ほら。これが今回の報酬だ。」

 そう言ってマスターは金貨が入った袋を私たちの前に出す。

 「わぁ!こんなにたくさん!」

 「ちょっと、依頼書に書かれていたクエストの報酬より多いんじゃない?」

 「あぁ、それは俺からのサービスだ。受け取ってくれ。」

 まあこのような好意はありがたく受け取っておこう。

 しかしここで心配事が一つ。この剣を持ち続けることで、私たちが元ラングノート王国の王宮の人間だということがばれないだろうか?この剣を捨て、一般の武器屋で売られている剣に持ち替えた方が良いのではないだろうか?

 だが、その心配も一気に解決した。マスターに言わせれば「冒険者の過去については詮索しないぜ。」ということだし、エスティは「いつも持っている使い慣れた剣だからそのままのほうがいいよ。」ということだった。

 さて、心配事が解決したことだし、これからやることは・・・

 「リース、報酬いっぱいもらったんだからおいしい物たくさん食べようよ!」

 「・・・そうね、今日は一杯やろうかしら。」

 「わーい!マスター!ビール二つ!」

 「あんたはまだ未成年でしょ!」

 「なによう。オバサン。」

 エスティの頭を殴る。

 「あたた・・・」

 「ビールとグレープジュースちょうだい!」

 私たちはテーブルに座った。目の前にビールとジュースが運ばれてくる。それを手にとって

 「「かんぱーい!」」

 私は一気にビールを飲み干し、おかわりを要求する。

 そして今回のクエストを振り返り語り出す。

 「それにしても、今日のリースはかっこよかったなぁ。一度に沢山の敵をバッサバッサとやっつけちゃって。」

 「うふふ、そうね。」

 お酒が入ったせいだろうか、少し気分がよくなってきた。おかわりで運ばれたビールを一気に飲み干す。そして、またおかわりを要求する。

 「わたしもリースばっかりに頼っちゃだめよね。もっと強力な魔法を覚えて、私も活躍できるようにしないと。」

 「そうね~」

 運ばれてきたビールを再び一気に飲み干す。

 「私ってばリースみたいに動けないから、魔法でがんばるしかないよね。」

 「そぉ~ねぇ~」

 「うっ、なんかリース様子が変なんですけど!」

 「こぉ~らぁ~エスティ飲んでないじゃないのぉ~。マスター、ビール2本追加!」

 「ってか私16だから飲めないし!」

 ギルドのドアが開き、ベルがカランコロンとギルド内に響き渡る。

 「あっギンス!」

 入ってきたのはギンスだった。その姿を確認したエスティは急に立ち上がりギンスに詰め寄る。」

 「今日はよくもやってくれたわね!」

 その姿を確認した私もギンスの腕を強く掴み、下からギンスをにらみつける。ギンスは完全に私たちに怯えているようだ。

 「よ、よう。今日は・・・その、済まなかった!お前達のことは認めてやる、だから許してくれ!」

 「本当にぃ~、そう思っているならぁ~、私と一緒に飲みなさい!」

 「へっ!?」

 「私と飲めと言っているのよ!拒否したらどうなるかわかっているんでしょうね!?」

 私は剣の柄に手をかける。その横からエスティが声をかける。

 「ギンス!」

 「はいぃ!」

 「私は寝るから後よろしくっ!」

 エスティは逃げるように二階に走っていった。

 「あーん、エスティ~!ギンス!こうなったら、とことんつきあってもらうわよぉ!」

 「な、なんかたすけてー!」

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