表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
仁義の革命  作者: KAZ
7/35

第7章 火蓋

数日後――。

都内の下町で、仁誠会の炊き出しが行われていた。

行列には子ども連れの母親や老人が並び、和やかな雰囲気に包まれていた。


だがその空気を裂くように、黒いバンが数台滑り込む。

降り立ったのは、警察の特殊部隊。

だがその動きには妙な違和感があった。


「全員動くな! 違法な集会とみなす!」


威圧的な声が響き、銃口が人々に向けられる。

蓮は愕然とした。

――これは“取り締まり”ではない。

民衆に恐怖を植え付けるための示威行動だ。


「ふざけるな!」

鷹村が前に出て叫ぶ。

「ここで飯を食ってるのは、腹を空かせた人間だ! お前ら、守る相手を間違えてんじゃねぇのか!」


だが警官たちは耳を貸さない。

一人の老人が押し倒され、悲鳴が上がる。

蓮の中で何かが切れた。


「やめろぉぉっ!!」


次の瞬間、蓮は飛び出し、警官の腕を弾き飛ばした。

衝突は避けられなかった。

組員たちも加勢し、瞬く間に乱戦となる。


街中で響く怒号と悲鳴。

銃火器を構える警察に対し、仁誠会の組員たちは素手と鉄パイプで応戦した。

市民たちは必死に逃げ惑うが、その目には「恐怖」だけでなく「仁誠会への共感」が宿っていた。


やがてサイレンが遠くで鳴り響く。

別部隊の増援が来る前に、鷹村が怒鳴る。


「退け!これ以上はカタギが巻き込まれる!」


組員たちは合図に従い、蓮を庇いながら後退する。


煙に包まれた現場に、倒れた警官と散乱する炊き出しの食材。

その光景を見つめる市民の視線が、政府への怒りに変わっていくのを蓮は感じた。


事務所に戻ると、神宮寺は静かに言った。


「……ついに、奴らは民を弾圧し始めた。ならば――」

「こちらも、覚悟を決めるしかねぇな」鷹村が続ける。


仁誠会と政府。

その対立は、もはや後戻りできない段階に突入していた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ