第24章 護送戦
の雨。
東京郊外の小さな宿舎。
そこに篠田は匿われていた。
仁誠会の護衛が十数名、周囲に張り付き、鷹村と蓮も現場にいた。
「……政府は絶対に放っておかねぇ。近いうちに必ず動く」
鷹村が煙草をくゆらせながら呟く。
蓮は篠田を見やり、真剣な声で言った。
「必ず守ります。……あんたの命も、想いも」
篠田は微かに笑った。
「……若いのに、不思議と信じられるな」
深夜二時。
雨音の中、妙な静けさが漂う。
蓮は木刀を握り直し、胸騒ぎを覚えた。
「……来る」
その言葉と同時に、外の警戒組が次々と倒れた。
無音の刃、闇に紛れる影。
「影の部隊だ!!」
鷹村の怒声が響き、銃声と悲鳴が雨に掻き消される。
宿舎内部。
蓮は篠田の前に立ちはだかり、迫る黒装束と刃を交える。
「絶対に通さねぇ!!」
火花が散り、床板が裂ける。
敵の動きはやはり常人を超えていた。
鎖鎌が飛び、蓮の頬をかすめる。
「ぐっ……!」
だが蓮は踏みとどまり、木刀で渾身の一撃を叩き込む。
敵の顎を砕き、影が床に沈む。
「篠田さん!走って!!」
護衛たちが篠田を囲み、裏口へ向かう。
外では鷹村が仲間と共に応戦していた。
だが影の数は多い。
「クソッ、きりがねぇ!」
そこに蓮が飛び込む。
「退け!俺が前に出る!」
敵の刃が迫る。
蓮は木刀を振り抜き、雨を裂いて影をなぎ倒す。
息も絶え絶えの中、ただ一心に――篠田を守るために。
激闘の末、篠田を乗せた車両が闇を抜ける。
仁誠会の本部へ向けて走り去るその背を、蓮は血に濡れた木刀を杖に見送りながら叫んだ。
「生き延びろ……!必ず、この国を変えてみせる!」
影の部隊はなお執拗に追ってくるだろう。
だが蓮の瞳には恐怖ではなく、揺るぎない光が宿っていた。
「俺は……誰一人、諦めねぇ」
雨の夜、仁誠会と影の部隊の戦いは、ますます激化していくのだった。




