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仁義の革命  作者: KAZ
23/35

第23章 告白

対影部隊の結成から間もない頃。

蓮は訓練を終え、汗を拭っていた。

だがその胸には重たい疑問が残っていた。


(……あの時、どうして俺たちは国会に潜入できたんだ?)

(政府の罠にしては、内部の腐敗を暴く証拠が多すぎた……)


その違和感を抱えたまま、夜の本部に戻った。


その夜、神宮寺の執務室に一人の来客があった。

黒い帽子を深く被り、顔を隠した中年の男。

付き添いの組員が「政府関係者だ」と耳打ちする。


広間に呼ばれた幹部たちの前で、男は震える声を絞り出した。


「……私は内閣府の官僚、篠田と申します」


蓮は驚き、思わず身を乗り出す。


「官僚……!あんた、敵側の人間じゃ……」


「いいえ」

篠田の声は悲痛だった。

「私は、あの腐敗をこの目で見てきました。議員たちは私腹を肥やし、国庫は裏金に流れ、国民の命など数字としか見ていない……」


蓮の脳裏に、あの日の国会議事堂で目撃した光景がよみがえる。


篠田は続ける。

「だから私は……あの極秘資料を、あなた方に送ったのです。罠でも、挑発でもない。――せめて誰かに、この国の腐敗を暴いてほしかった」


広間は静まり返った。

神宮寺が目を細め、問いかける。

「……ならば、何故今ここに現れた」


篠田は深く頭を下げる。

「影の部隊が動き始めたと聞きました。奴らは私の存在に気づき始めています。……命を狙われる前に、せめて仁誠会に真実を伝えたかった」


その言葉に、鷹村が舌打ちする。

「チッ……やっぱりな。お偉いさんの中にも、まだ“人間”が残ってたか」


蓮は篠田をまっすぐに見つめ、拳を握った。

「……あの潜入は、あんたの想いが俺たちに届いたんだな。俺は……絶対に無駄にはしません」


篠田の目に涙が滲んだ。

「……ありがとう……どうか、この国を……」


その夜更け。

篠田は護衛の組員に守られながら本部を去った。

だが蓮の胸には、新たな決意が芽生えていた。


(俺たちの戦いは、ただの抗争じゃない。あの人みたいに声をあげられない民の想いも背負ってる……)


拳を握りしめ、夜空を見上げる。

星は雲に隠れていたが、確かにそこに光はある。


革命の火は、ますます燃え広がっていくのだった。

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