第18章 蜂起
東京郊外での血戦の勝利は、ただの戦果ではなかった。
それは――「政府に抗える」という事実を、全国に示したのだ。
数日後。
日本各地で小さなデモが始まり、それは瞬く間に炎のように燃え広がった。
「政府は退陣しろ!」
「市民を守れ!」
「新・任侠連合を支持する!」
最初は数百人だった声が、やがて数千、数万へと膨れ上がる。
地方都市では役所がデモ隊に包囲され、県庁前で「臨時自治会」が設立される例も出始めた。
一方で政府は鎮圧を試みた。
催涙弾、放水車、無差別逮捕。
だがその光景がSNSで世界中に拡散されると、国際世論はさらに政府を非難する方向へ傾いた。
〈日本政府、もはや民主国家の体をなさず〉
〈新・任侠連合は民衆の声を代弁〉
〈国連で議題に〉
海外メディアは連日報じ、市民の蜂起は「革命」と呼ばれるようになった。
――その頃、連合本部。
蓮はテレビ画面を見つめ、胸の奥が熱くなるのを感じていた。
画面の中で叫ぶのは、見知らぬ市民たち。
でもその拳は、自分たちと同じ方向を指していた。
「俺たち……もう、本当に“裏社会”じゃないんだな」
鷹村がニヤリと笑う。
「そうだ。今じゃ“民衆の軍”だ」
神宮寺はゆっくりと立ち上がり、広間に集まる幹部と組員たちを見渡した。
「民が立ち上がった。……我らはその盾であり、矛だ」
声は静かだが、誰の胸にも深く響いた。
「この国はもう変わり始めている。だが――その変革を完遂するためには、政府を完全に倒さねばならん」
蓮の目に迷いはなかった。
「はい! 俺はそのために……最後まで戦います!」
その言葉に広間全体が沸き立つ。
新・任侠連合は、もはや裏社会の影ではない。
日本の民衆と共に歩む――“革命軍”へと姿を変えたのだった。




