第17章 血戦の街
夜明け前、東京郊外の街に不穏な空気が漂っていた。
住民たちは避難を始め、商店のシャッターは固く閉ざされる。
それでも道路には無数の車両が並び、人影が蠢いていた。
政府軍――。
装甲車両に銃を抱えた兵士たち。
その背後に翻るのは「治安維持軍」の旗。
対するは、新・任侠連合。
黒のスーツ姿の男たちが道路に陣取り、手には拳銃、刀、鉄パイプ。
だがその目は恐れよりも決意に燃えていた。
蓮は緊張で手のひらに汗をかきながらも、木刀を握りしめる。
鷹村が横で煙草を噛み砕くように吐き捨てた。
「これが“戦争”だ、坊主。腹ァ括れよ」
「……はい!」
遠くでサイレンが鳴り響く。
次の瞬間、轟音と共に政府軍が突撃を開始した。
「来たぞォ!!!」
銃声が街を裂き、火花が散る。
連合の仲間が倒れるたび、誰かが代わりに突撃する。
「市民を守れぇ!」
怒号と悲鳴が入り乱れ、血がアスファルトを染めた。
蓮は銃弾を紙一重で避けながら、敵兵の懐に飛び込み、木刀で小銃を弾き飛ばす。
「うおぉぉっ!!」
膝蹴りで兵を倒すと、次の敵が銃を構えた――その瞬間、鷹村が横から飛び出し、拳銃で撃ち抜いた。
「油断すんな坊主!」
「すみません!」
前線の混乱の中、黒塗りの車が静かに到着する。
降り立った神宮寺は、乱戦の只中にあっても一歩も怯まず進み出た。
「新・任侠連合――我に続け!!!」
その声は戦場に轟き、仲間たちの士気を一気に押し上げた。
敵の銃声に負けぬほどの咆哮が街を揺らす。
戦いは長引き、街は瓦礫と炎に包まれた。
住民の避難は不完全で、泣き叫ぶ子供を抱えて走る母親の姿もあった。
それを見た蓮の胸に怒りが燃え上がる。
「こんなものが……“治安維持”かよッ!」
蓮の叫びは銃声にかき消されながらも、仲間たちの心をさらに突き動かした。
――そして、数時間後。
死闘の末、政府軍は撤退。
街は瓦礫と死体の山となったが、連合は勝利を掴んだ。
勝利の報せは瞬く間に全国へ広がり、人々の心に火を灯した。
だが蓮の瞳には、倒れた仲間と焼け落ちた街の残骸が映っていた。
「これが……革命の代償……」
その呟きに、神宮寺は静かに答えた。
「そうだ。だがこの犠牲を無駄にはせん。……我らは必ず、この国を変える」
燃える街を背に、新・任侠連合の戦いは、さらなる激化へと進んでいった。




