第16章 強硬策
新・任侠連合の声明は、国内外で大きな波紋を広げた。
国内では若者や市民団体が「政府退陣」を求めるデモを始め、海外では各国メディアが「日本の春」と呼び始めていた。
だが、それをもっとも恐れていたのは――政府自身だった。
首相官邸の会議室。
閣僚たちが顔を歪め、怒号が飛び交う。
「声明など、あれは単なるプロパガンダだ!」
「だが国際世論は我々を非難している!」
「ならば押し潰せ!完全に力で黙らせろ!」
机を叩いた防衛相が吐き捨てる。
「警察では限界だ。……自衛隊を投入する」
その言葉に空気が凍った。
「だが、それでは内戦を認めることになる」
「もう既に認められている!ならば力で勝ち取るしかない!」
こうして政府は、正式に“非常事態宣言”を発令。
名目は「治安維持」だが、実態は新・任侠連合に対する全面戦争だった。
その夜。
各地の街角で軍用車両が走り、市民は怯えながら窓を閉ざした。
「治安維持軍」と名乗る部隊は、容赦なく連合の支援者を検挙し、街を恐怖で支配していった。
――そして、本部に届く一報。
「横浜の支部が……壊滅しました!」
報告を聞いた瞬間、広間の空気が凍りついた。
仲間たちの顔が怒りに歪み、蓮の拳は震えた。
「くそっ……仲間が、民が……!」
鷹村が机を叩く。
「奴ら、もう完全に牙を剥きやがった。ここから先は本当に“血の雨”だぞ」
静かに立ち上がった神宮寺が、全員を見渡す。
「民を守るためには――避けられぬ戦いだ」
その眼光には、一片の迷いもなかった。
「次は我らが打って出る。政府が血で国を染める前に――我らがその手を止める!」
広間に轟いた咆哮は、もはや暴力団のものではなかった。
革命軍としての“決戦”の幕が上がろうとしていた。




