第15章 声明
政府が自衛隊投入を検討している――その報道は国内を震撼させただけでなく、海外メディアの一面を飾り続けていた。
だが政府は黙り込み、世論の批判を「テロへの正当防衛」という言葉で押し潰そうとしていた。
「このままじゃ、奴らの言い分が通ってしまう」
鷹村が舌打ちする。
「民衆は信じても、海外は“暴力団の反乱”くらいにしか見ちゃいねぇ」
蓮は思わず言った。
「だったら……俺たちから世界に伝えましょうよ。何のために戦ってるのかを!」
その言葉に神宮寺が静かに笑んだ。
「言うと思った。……蓮、お前が一番“市民の代弁者”に近い」
そして数日後――。
海外のジャーナリストを通じ、全世界に同時配信される「声明」が準備された。
暗幕を背に、神宮寺が正装で椅子に座る。
その隣には蓮と鷹村、そして背後には新・任侠連合の幹部たち。
カメラの赤いランプが点灯した。
神宮寺は一瞬瞑目し、低く、しかしはっきりと語り始めた。
「我らは暴力を楽しむ者ではない。
この国を腐らせ、民を踏みにじる政府の横暴に立ち向かうため、立ち上がったのだ。
……我らは、市民を守る盾であり、声なき声の代弁者である」
言葉は重く、しかし澱みなく流れていく。
蓮は横で、その姿を見つめながら胸が熱くなった。
やがて神宮寺は振り返り、蓮に目を向けた。
「蓮、お前も語れ」
突然の指名に息を呑む。
だが逃げることはできない。
蓮はカメラを見据え、力強く言った。
「俺はただの若者でした。
でも、この目で政府の腐敗を見ました。
仲間が、市民が、理不尽に犠牲になるのを見ました。
だから戦います。俺は――民のために剣を振ります!」
その言葉に、背後の仲間たちが力強くうなずいた。
配信は世界中に拡散された。
SNSには無数のコメントが溢れ、海外の専門家までもが論じ始める。
《彼らはテロリストではない、革命軍だ》
《日本政府こそが腐敗している》
《支援を検討すべきだ》
国際世論の風向きが、確実に変わり始めていた。




