第14章 揺れる世論、迫る軍靴
“新・任侠連合”の誕生から数週間。
その勢力は全国に広がり、もはや地方行政さえ無視できない存在となっていた。
地方の町長が水面下で連合と協力し、住民を守るために治安維持を任せるケースすら出始めていた。
一方、政府は追い詰められていた。
「警察だけでは抑えられません!」
「特殊部隊も各地で敗走しています!」
閣僚会議の室内に、怒声と焦燥が渦巻く。
そして、誰かが口にしてしまった。
「……自衛隊を投入するしかないのでは?」
一瞬の沈黙。
だが次の瞬間、他の議員たちが口々に同調する。
「非常事態を宣言しろ!」
「奴らはもはやテロリストだ!」
その会話はすぐさま海外メディアに漏れ、世界中に衝撃を与えた。
〈日本政府、国内に自衛隊投入を検討〉
〈暴力団組織と国家権力の内戦か〉
国際ニュースは連日トップで報じられた。
欧米諸国は「政府の過剰対応」を批判し、アジアの一部国家は「任侠連合を革命勢力」と評価する。
世界の視線が、日本に集まり始めていた。
その頃――。
新・任侠連合の本部に集められた幹部たちは、新聞とネット記事を睨みつけていた。
「……とうとう軍まで出す気かよ」
鷹村が吐き捨てる。
「連中、正気じゃねぇ」
「いや、正気だ」
神宮寺が低く言う。
「奴らは自分たちの権力を守るためなら、民をも犠牲にできる。正気であり、狂気でもある」
蓮は拳を握りしめた。
「でも、もし本当に軍が来たら……市民はどうなるんですか?」
「だからこそ、先に手を打たねばならん」
神宮寺の目は鋭かった。
「この戦いは、もはや日本一国の問題ではない。世界に向けて、“我らこそ民を守る存在”だと示すのだ」
その言葉に、広間の空気が震えた。
革命の炎は、もはや国境を越えて燃え広がろうとしていた。




