第12章 最初の大戦
政府の殲滅計画は、水面下から一気に表へと姿を現した。
「治安維持作戦」と銘打ち、警察・特殊部隊・民間警備会社まで総動員。
その狙いはただ一つ――仁誠会の本部を叩き潰すこと。
深夜。
都内にある仁誠会事務所の周囲に、不自然なほどの静けさが漂っていた。
蓮は胸騒ぎを覚え、窓の外を見やった瞬間、視界の奥で赤い光が瞬いた。
――照明弾。
「来るぞ!」
次の瞬間、轟音とともに事務所の壁が爆破される。
黒装束の部隊が雪崩れ込み、銃声が飛び交った。
「全員構えろォ!」
鷹村の怒声に、組員たちが一斉に応戦する。
机や柱を盾にし、鉄パイプや刃物が閃き、火花が散る。
蓮は木刀を握りしめ、必死に敵を受け止めた。
「ぐっ……はぁっ!」
銃弾をかわし、近づいた敵の手首を叩き折り、膝蹴りで倒す。
背筋を焼くような恐怖があったが、それ以上に――胸の奥で炎が燃えていた。
「俺は……もう、逃げない!」
事務所の奥から現れた神宮寺は、動じることなく歩み出た。
「仁誠会を潰したいなら……この俺を越えてみろ」
その威圧感に、一瞬敵の動きが鈍る。
鷹村がその隙を突き、突撃して道を切り開いた。
戦いは熾烈を極めた。
狭い事務所内は弾痕と血にまみれ、床には倒れた敵と仲間が転がる。
しかし仁誠会は退かない。
「市民を守るため」――その一点が全員を突き動かしていた。
やがて夜明け。
激戦の末、仁誠会は敵を撃退した。
だが犠牲も小さくなかった。
仲間の数人が倒れ、事務所は半壊状態。
それでも、組員たちの瞳には敗北の色はなかった。
むしろ――燃えるような決意が宿っていた。
「奴らは民を守るどころか、堂々と踏みにじった」
神宮寺の声が響く。
「この国を腐らせた政府を――我らが正す」
その言葉に、全員が拳を掲げた。
炎に包まれた事務所を背に、新たな戦いの幕が開いたのだった。




