第1話 「特異点」
初心者
ゴールデンウィークが開けて5月、とある高校にて。
担任[転校生を紹介するぞ~]
転校生[エースって言います!アビリティは畝炎って名前です!よろしくお願いします!]
--------------------------------
今からおよそ100年前、一人の青年が謎の高速移動をしてしまう奇病を患ったことを皮切りに、世界各地で”アビリティ”という特殊能力を持った人々が生まれるようになった。
担任[エースは保持約1000人に1人とも言われるアビリティを持っているが、変に追求したりするなよー]
エース[みんなよろしくね!]
カナタ[.......ふん]
(転校生...いかにも陽キャって感じの見た目だな、俺みたいな陰キャとは生涯関わらなそうな人種..)
カナタは自分のつまらない高校生活を頭に思い浮かべながら落胆していた。
体育教師[みんなおはよう!1時間目はアームガン論の時間だ!]
アームガン論...今から25年前、アビリティ持ちの犯罪者に対抗するために作られた手から弾丸を出す為の手法。
カナタ...(まあ、使う場面なんて早々ないけどなぁ)
体育教師[ん?、君が転校生のエース君かな?]
エース[はい!岡崎先生ですよね?]
岡崎[ああそうだ、君は俺と同じでアビリティを持っているんだってね]
エース[そうですね!手から炎出せるんですよ!]
おぉー!などの歓声が教室に響き渡る。
岡崎[良いアビリティじゃあないか!ん?おい!カナタ!]
カナタ[ブフッ]
岡崎[何寝てるんだ!アームガン論は自分の身を守るため!大事な授業なんだ!]
カナタ(ご、ごめんなさい...)
くすくす くすくす
...(周りから笑い声が聞こえる...いつもこうだ。)
キーンコーンカーンコーン
エース[カナタ君!]
カナタ[え?あ?え、あっ]
陽キャ突然の攻撃(ただ話しかけただけ)により怯んでしまう。
エース[あのさ!学校の設備とか案内してくれない?]
カナタ[え、あっ、いいです...よ]
エース[マジか!ありがと!]
カナタ...(おいおい勘弁してくれって...)
--------------------------------
カナタ[んで、ここが美術室。]
カナタがそう言うと
エース[助かった!ありがとう!]
カナタ[い、いえ..]
エース[ところでさぁ、なんでずっと1人で居たの?]
カナタ[え、だ、って友達..居ないし]
.....(友達いないこと言わせるなよ..恥ずかしいな...)
エース[ふーん..じゃあ俺たち今日から友達な!]
カナタ[えっ...]
思ってもいなかった、自分と友達になりたいやつなんて世の中に居ないと.....
エース[嫌そうにしながらしっかり学校案内してくれたじゃあないか!カナタは良い奴だよ!]
カナタ[でも..おれつまらないよ..?]
エース[いいからいいから!今日は無理だけど明日の放課後にでも遊ぼうぜ!]
カナタ[う..うんっ!]
カナタ...(エースか、めっちゃ良い奴だなこいつ..)
だが同時に、エースに対して不信感を感じていた。
--------------------------------
カナタ....(おれはHR後、1時間程図書室に滞在してから帰宅する。)
カナタ[...あ]
カナタ[今日って....まずい!イベント日じゃないか!エースの一件で完全に忘れてた!]
カナタは、足早に学校を去る。
--------------------------------
カナタ[え....あれって]
カナタは帰り道にとある路地裏を覗いた。
カナタ[エース!何してるんだ!]
エースが10歳くらいの男の子に対し暴行を働いていた。
エース[あれ?カナタじゃん!今帰り?]
カナタ[違うだろ!なんで子供をボコボコにしているんだ!]
エース[あぁ!アームガンエネルギーを採取するためだよ!子供のエネルギーは質がいいからな!]
カナタ[エネルギーを...採取?]
エース[あれ、知らないか。”殺すと”エネルギーやアビリティを奪えるんだよ!]
そういえば..どっかのネット記事で昔見た気が.....
カナタ[とりあえず殴るのやめろよ!今ならまだ暴行罪だ!]
エース[うるせえな...カナタァ、おめえからやっちまうぞ?]
カナタ[くっ]
(まずい、止めないと)
エース[まっ!見られた時点でどっちみちぶち殺すしかねえんだけどナァ!]
【畝炎】
ボッボッボッ!!!
炎が畝りながら迫ってくる!
カナタ[ま、まずい!?こうなったらアームガンを...]
カチッ、アームガンをセットする
カナタ[とりゃあ!]
バン
エース[おっと]
エースが自分の目の前に炎を出す、弾が炎に当たり消滅する
カナタ[な、なんで..]
エース[みたところお前は貧弱体質だろ?エネルギーも少なそうだなぁ!]
そうか...アームガンの火力は保持しているエネルギー量に比例する。
カナタ[くっくそっ]
死に際、カナタはビルの隙間にある影を凝視した、なぜかは分からない、直感的に影をみた直後。
カナタ[!?う、うわ!]
体に影に吸い込まれ
ギュルンッ!
カナタ[は?は?]
エース[は?おまえアビリティ持ちだったのか...?]
カナタ[い、いや...]
”後天性型アビリティ”
何らかの条件を達成することで発現するアビリティ。
<カナタに発現したアビリティ、忍ぶ影は死にかけの状況で影を凝視することで発現する>
エース[...そうか、後天性ってやつか!まあいい、そのアビリティごと奪い取ってやるよ!]
後天性の特徴として、使用するエネルギー量が多い。
もうひとつは..(ゴッ!
エース[おれの最大火力で燃やし尽くしてやる!]
カナタ....(逃げながらアームガンを打てばもしかしたら...)
30秒後
カナタ[はぁ、はぁ]
エース[はぁ、くっ]
カナタ[エネルギー...使いすぎたな..]
エース[ははw、こりゃまずい]
2人の戦いが佳境に突入した直後、2人の男が戦いに参入する。
???[ヴィラン対策課参上!]
???[だから...それダサイって..]
最初に参上と言った男が、手から閃光弾を放つ
???[喰らえ!フラッシュバン!]
エース[うっ..目が..]
シュージ[俺の名はシュージ!覚悟しろヴィランめ!]
イダチ[おれはイダチ...お前派手にやりすぎるなよ?]
エース[に、逃げ..ないと]
イダチ[悪いが...逃がす訳には行かない]
イダチがそう言うとエースの進行方向に盾を設置した
イダチ[アビリティ:無敵の盾、縦を設置/付与する]
シュージ[おれのアビリティは眩い閃光弾だ!]
カナタ[あ、あの..]
シュージ[あぁ!君があのヴィランを食い止めていたのかい!?やるじゃないか!]
ズズズ
!?
エース[っち、やっと来たな..]
突如出現した扉から、全身光っている長身の男が入ってきた。
エース[おい!光の王!はやく助けろ!]
光の王[はぁ、エース君。あれほど油断するなと...]
シュージ[なんだお前!逃がすわけないだろ!]
光の王[すいません、今は時間が無いので..]
そう言った直後、周囲が白に包まれる。
カナタ[な、なんだこれ]
イダチ[くそ、とりあえず全員に盾付与!]
光の王[大丈夫、今は襲いませんよ]
皆の視界が潰される中、光の王は扉に消えていく
光の王[ちなみに、私は30年前に発足した、ヴィラン軍団オーダーの組織長でございます、これからヴィランの時代にして行こうと思います。]
不敵な笑みを浮かべながらそう言い、扉に消えた...
カナタ[あっ...]
プツンッ
カナタの意識が無くなる
初作品です