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第4話 朝の空気
朝の空気の中、静まり返った村の雰囲気が好きだ。
どことなく静謐で、触れがたい。
神聖さを感じるこの空気が好きだ。
そう言うと、ネイは「詩人みたいだね」といった。
でも、そうかもしれない。
僕は、本を模写する仕事をしているから。
仕事は大変だ。
本は、一文字間違えたら意味が変わってきてしまう所がある。
だから、いつも集中していなければならない。
影響されてるのかも。
簡単に本の内容を写せる技術が開発されないだろうか。
きっとそれは、自分がおじいちゃんになる頃かそれ以上先の事なのだろうけれど。