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第18話 離れるべき
村の外、人々は呆然としていた。
今まで育ってきた場所がなくなっていく様子は、心にこたえるのだろう。
セロにとってもそれは同じことだった。
一足早く避難していた黒猫が、なぐさめるように足元にすりよってくる。
しかし、ずっとここにはいられない。
村を焼いた罪人が、やってくるかもしれないからだ。
「もっと村から離れないと、遠くに逃げないと」
青い炎を出す罪人。
その男の異常性を見たセロは、相手がこちらをあきらめてくれるとは思えなかった。
罪人からは明確な殺意を感じていた。