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第13話 助け
逃げていたネイは、青い炎の壁に行先を遮られて、脱出できないでいた。
このままだとミズクと運命を共にしてしまうだろう。
しかし、そんなネイの元に助けの手が差しのべられた。
「炎よ、消え失せろ!」
人の声がしたとたん、周囲を覆っていた青い炎がかき消えた。
透明な水が一斉にあたりに降り注いだからだ。
その人物は、青い髪をした男性だった。
眼鏡をかけていて、理知的な相貌が特徴的だ。
身にまとう服は上質なもので、ネイにはどこかの貴族か何かに見えた。
貴族なんてものは、小さな村ミズクには存在しないので、戸惑った。
「あっ、ありがとうございます」
「よく頑張ったね。もう大丈夫だ、といいたいところだけど。全てを消火するほど魔力があるわけではない。はやくここから逃げよう」