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第三話「そして、闇魔術局へ」

 ドアの向こうはどこにでもあるようなオフィスビルで、数え切れないほどの人間が右往左往していた。

「なんだよ、この空気中の魔力、、、」入ってすぐに、今まで感じたことがないほどの膨大な魔力を感じた。ふと、背後から、

「君達なら来てくれると思っていた。俺に着いてきて。」御饌津大社で出会った男が僕達に言った。

「ここは、どこなんだ?なんでこんなに膨大な魔力を感じるんだ?」男に聞きたい事はたくさんあったが、

「後から説明する。」と、一言だけ言って、そのまま歩き出した。エレベーターに乗っている途中、突然亜弥子が、

「ここは、もしかして闇の国の魔術局なの?」

「そうだ。だから、ここでは君達みたいな人間は膨大な魔力を感じる。」

「私達みたいな?」

「僕がここに君達を呼んだのは、君達から異常なまでの魔力を感じたからだ。」

「あなたも、魔力感応術者なの?」

「俺の場合は、君達とは違って訓練してなったけど魔力感応術者であることは変わり無い。」

「で、闇の国の軍勢の魔術部隊の一員として、ヘッドハンティングってことか。」僕は、やっとこの男の意図に気付いた。

「お察しの通り。君達には協力してもらいたい。」

「なんで、関係の無い他国の軍勢に協力しなくちゃいけないんだ?」

「もちろん、任務に成功した際にはちゃんと報酬がもらえる。」

「まあ、実戦の経験になっていいんじゃない?」亜弥子がフォローする。

「さあ、この部屋だ。この部屋には神功霧夜(じんぐうきりや)旅帥という人がいる。ここからは、君達二人だけで行ってくれ。霧夜旅帥なら、君達の面倒を見てくれるだろう。」男はそう言って、立ち去った。恐る恐るその部屋の扉をノックしてみる。

「入っていいですよ。」若い男の声が聞こえた。

「真人から聞いている。君達がその気なら是非魔術局に入ってほしい。」

「私は入りたいと思います。」亜弥子が即答した。

「で、君は?」僕は少し悩んだ。確かに、自分の力を試したいという気持ちはある。しかし、父親が死んでから僕は黒法師家の当主なのだ。少し自重しなければならない。

「ならもし、君はここで断ったら何かしたいことがあるの?」旅帥のその一言で決心がついた。

「僕も入ります。」

「では、今から君達の力量を知るためにいくつかの試験をやってもらう。」

「試験ってどんなことをするんですか?」

「君達は戦術に関しては何の問題もないだろうから、いくつか筆記試験を受けてもらう。あくまで確認だからそんなに緊張する必要は無い。」と言って、旅帥は試験用紙を配った。横では、亜弥子がもう次々と解いていっている。僕も解き始めた。

(第一問:五行とは、水、金、火、木と何か?)答えは土だ。この程度ならいける。そう確信して次々と問題を解いていった。そして、最後の問題。

(最終問:六道家と黒法師家と神奈備家の三家に共通することは?)最後の問題はラッキー問題だった。自分達の一族が闇の国の魔術局の筆記試験に使われているのは少し変な気分だったが、大概の問題が分かって安堵した。程なくして旅帥は、

「やっぱり、君達は最終問題に引っ掛かったか。実は、この問題は君達専用に作ったものだ。二人とも、(古代魔術を遺伝的に受け継ぐ性質がある。)と答えている。それでも、間違ってはいない。しかし、最も大きな共通点を見落としている。お互いを敵視していた三家だから、君達には教えなかったらしい。君達もそのうち、知ることになるだろう。」

「なんで、今言ってくれないんですか?」

「知ったところで今の君達にはどうにもできない。」僕は、旅帥は意地悪そうな人間には見えなかった分、一層不思議に思った。

「そろそろ時間だ。急なことだが、君達にはすぐに任務についてもらわないといけない。それも別々の。優君は下の階の音羽隊正の所へ、亜弥子ちゃんは私の所へついてきなさい。」こうして、下の階に一人で行く事になった。音羽隊正は僕のことを結構な時間待っていたようで、なにより音羽隊正は御饌津大社で出会った男だった。

「初陣にしては、重責すぎるかもしれないけれど、君には水の都でこの任務についてほしい。」音羽隊正は一枚の書類を僕に渡した。書類には任務の詳細が書かれていた。

「どうやら、最初から命の危険が伴う仕事だ。戦時中とはいえこの措置は異例だ。くれぐれも、はしゃぎすぎないでほしい。」音羽隊正の表情は険しかった。

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