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第十一話「新たなる戦友」

 また、僕の話に戻る。僕を取り囲んでいた四人組は、

「ちょうど良かった。神功旅帥と仙静旅帥がいない間、俺達が魔術師部隊南闇都隊に編入することになった。俺は、火長の攝津夜叉丸(せっつのやしゃまる)だ。よろしく頼む。」はきはきとした口調でリーダー格の男が言った。

「…同じく火長の禰宜良岑(ねぎのよしみね)だ。」その横の無骨そうな男が言った。

「「俺達は、火長の天将玄武(てんしょうげんぶ)天将青龍(てんしょうせいりゅう)だ。よろしく。」」天将家。闇の国でも最も由緒ある家柄の一つだ。こんな一族の末裔でも、やっぱり魔術局にはいるものなのか。

「君のことは聞くまでもない。黒衣優君。御三家の一つである黒法師家の宗家で、しかも跡取りだ。音羽隊正に引き抜かれたんだろう。」

「どうせ、音羽隊正と雲月隊正二人の雰囲気についていけずに、出歩いていたんだろう。」夜叉丸火長は笑いながら言った。

「まあまあ、五人もいればあいつらの雰囲気に飲み込まれないよ。」玄武火長が続けて言った。南闇都隊の部屋に入ると、先程と同じく音羽隊正と雲月隊正が仲良さげに書類を整理していた。

「ああ、やっと来たか。あれ、夜叉丸って優と知り合い?」

「そんなわけないでしょ。今そこで会っただけだ。」

「そういえば、朱雀と白虎はどうした?」

「あの二人は明日からだ。」良岑火長が答えた。そう言えば、夜叉丸火長や良岑火長達と音羽隊正は妙に仲がよさそうだ。

「音羽隊正って、この人達と何か関係あるんですか?」

「魔術局の同期だ。今でも仲が良い。」

「ちょっと、みんな。手紙が届いているわよ。」雲月隊正が僕達に言った。

「え~っと、【突然ですが魔術局を辞めます。葉竹亜弥子】としか書いてないけど。」

「亜弥子が?」僕はつい大声で言ってしまった。

「何か他に書いてあったのか?」音羽隊正が尋ねた。

「他には何も。」

「そうか。」

「お前ら、早速だけど留守番頼めるかな。俺と優で亜弥子の所に行ってくるから。雲月はどうする?」と音羽隊正。

「私はここにいる。本当は優君一人で行ってもいいけど、行き先が魔国六道領なだけに。。。」

「葉竹姓ってまさか、六道家の子もいるの?」

「ああ。」


 水の都の時以上の突然の出発に僕は慌てた。しかも、行き先は魔国六道領。

「行く途中に、一回黒法師領に行ってもいいですか?」

「構わないぞ。」僕達は、黒法師領の聖の所に行った。

「聖。」聖は怪我がまだ癒えず、黒法師家の城郭にただ一人でいる。僕は経緯を聖に話すと、

「臣下たちも逃げ落ちたらしい。黒法師家最大の危機が迫っている中で、当主の優を行かせるわけにはいかない。」

「じゃあ、亜弥子はどうすんだ?次期当主なんて、聖がやればいい。」

「当主の座まで賭けてか。そこまでなら、僕は何も言わない。音羽隊正も頼みましたよ。」そう言って、聖はまた寝室へと帰って行った。黒法師領と六道領は隣接しているので、そう遠くはない。

「北の御饌津山にちょうどここから直角の位置に、天神山がある。あそこを越えれば、六道領です。」僕達は、天神山へ目指して歩いて行った。

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