表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
伯爵令嬢はケダモノよりもケモミミがお好き  作者: 実川えむ
第9章 ケモミミに絆されてしまったようです

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

68/83

第59話

 数台の馬車の周りを、護衛を乗せた何頭もの馬が走っている。

 まだ、肝心の魔物の姿は現れていない。もしかして、間に合うかもしれない。


 ……そう思ったのは甘かった。


 GUOOOOOO!

 GYAGYAGYA!

 KYAAAAAAAA!


 獣の雄叫びなんか目じゃないくらい、身体の中心に響くような叫び声が聞こえてくるようになった。ドシドシと響く足音や、森の木々が倒される音が近づいてくる。こんなに距離があるのに……どれだけ大量の魔物がやってきてるのか。それよりも。


「か、母様たちは!?」

「おそらく、ご領主様の馬車を守りながら、殿を務めてらっしゃるのかと」


 そう言われて、ジッと見るけれど、馬車の後ろに続く護衛たちの姿しか見えない。

 他の冒険者や兵士たちは!? 


「あ、ああっ!? 兵士たちが、森から一気に出てきました。あ、まずいっ! あのままでは、街道に戻る前に、魔物に追いつかれるっ」

「なんですって……」


 衛兵の言葉に、青くなり、彼の持っていた望遠鏡を奪って、覗き込む。

 ほとんどの兵士たちは街道を走っているが、冒険者と思われる者たちが街道から外れたところから、わらわらと出てきている。彼らは後方に気を取られていて、土壁に気づいていないのか。


「風の精霊さん、力を貸してっ」


 ミーシャとのやりとりで声を伝えることができるのがわかったから、もしかしたら、拡声器としても使えるのではないかと思ったのだ。案の定、土壁を作る時、離れたところにいた土の精霊に指示を出すのに、何度も使わせていただいたのだ。


『みんな、街道に向かって走って!』


 私の声が届いたのか、冒険者や兵士たちが一気に街道の方へと走っていくのが見えて、ホッとする。


「母様たちの姿はまだ?」


 街道を走る兵士たちの姿がなかなか途切れない。じりじりとしていると、森の外れから、小さな魔物たちがバラバラと姿を見せ始めた。


「早く、早くっ……ああ!」


 本当に最後の最後、母が馬に乗って領都の方に走っている姿が見えた。そして、その脇に巨大なスレイプニルに乗るへリウスの姿もある。


「そのまま、真っすぐ走って……」


 そう願っていると、なんと母が馬上に立ち上がった。中国雑技団!?

 母が何をしようとしているのかがわかったのは、空でいくつかの光が瞬いたから。


「まさか、あれが」


 ――メテオラ(流星弾)。


 あれが着弾した時の爆風の威力は、予想できない。おじいさまたちはすでに土壁の中を走っているけれど、多くの兵士や、冒険者は土壁の外にある街道を走っている。間に合うのか。そもそも、母たちが無事に済むのか。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ