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伯爵令嬢はケダモノよりもケモミミがお好き  作者: 実川えむ
第4章 面倒な相手に出会ったようです

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第25話

 大きくため息をついてから、前を歩き出したヘリウス様に声をかける。


「ヘリウス様」

「ん? なんだ」


 振り向いたヘリウス様の顔は、いたって普通。これで鼻の下でも伸ばしてたら、はり倒すくらいの気持ちでいた私は、仕事モードに徹するように、自分の心を叱咤する。


「彼らの紹介は」

「ああ、忘れてた」


 簡単に忘れないでよ。

 私の呆れた顔に、ヘリウス様は、アハハ、と笑って誤魔化す。私は合流した彼らに向かって声をかけた。


「私は、メイ、彼女は護衛のキャサリンです。これから、よろしく」


 人間の男たちは私の声に一瞬慌てたけれど、先程までのだらけた雰囲気が一変し、サッと片膝をついて頭を下げた。

 私が貴族というのがバレた? 自分の振る舞いがいけなかっただろうか? マントを羽織っているから、中の格好まではわからないとは思うけど。

 というか、そもそも、ヘリウス様、彼らに私の情報をどこまで渡してたりするんだろうか。少し不安になる。

 それにしても、自然に礼をとることが出来るということは、彼らは貴族の元にいたことがあるのだろうか? 弓を背負った男などはチャラそうに見えたけど、あれはまた違う面ということなんだろうか。


「お初にお目にかかります。Bランク、弓使いのハイドと申します」

「……Aランク、魔術師、ローでございます」

「よろしく頼みます」


 そして猫女へと目を向ける。相変わらず、敵対心ありまくりで睨んでくる。こっちは依頼者なんだけど、って私は思うんですけどね。

 立ち上がったハイドが、猫女を睨みながら、注意する。


「パティ、挨拶しろ」

「……ふん」

「パティ」


 ハイドには無反応だったくせに、ヘリウス様が窘めるように名前を呼ぶと、猫耳をへにょりと伏せて、ちろりとヘリウス様へ目を向ける。へにょりとしている耳は可愛い。すごい可愛い。しかも、あざとい。

 しかし、甘えたような姿にも、ヘリウス様は負けなかったようだ。顎で『やれ』と促している。猫女は舌打ちを打つと、私の方へと顔を向けた……視線はそらされてるけど。


「……パティ。斥候」 

「……よろしく」


 私の声を聞くまでもなく、彼女は名乗るだけ名乗ると、ヘリウス様の背後にへばりつきにいった。これで、私の護衛なんて頼んでも大丈夫なのか、今さらながらに不安になった。


「メイ様、大丈夫です。仕事はちゃんとやりますので」


 申し訳なさそうに、そう話しかけてきたのは魔術師のロー。それは今までの経験で、ということなんだろうか。今の様子からは、残念ながら、まったく信憑性がないんだけど。


「ローさん、申し訳ないけど、口ではなんとでも言えます。彼女の実力が伴わなかった場合、解雇します。いいですね、ヘリウス様」

「なんだよ、メイ、パティなら大丈夫だ」

「……いつまで、その自信が持ちますかしら」


 身内に甘いようなら、彼らの助けなどなくても、なんとかするしかない。

 最悪なことも考えなきゃいけないとは。うんざりしながら、私はキャサリンと目を合わせると、小さく頷きあった。


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