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あれ  作者: ツヨシ
2/4

考えていると、若い男がカーブの先から突然現れた。


そして俺と目が合うと、一目散に俺の前までやって来て、強い口調で言った。


「おい、どこ行ってたんだ。探したぞ!」


どうやら俺の知り合いのようだが、俺には誰なのかがまったくわからなかった。


なにも答えずにいると、男は俺の肩をつかんだ。


「おい、兄さん。あれを持ち出しただろう。返せよ!」


話から推測するに、この男はどうやら俺の弟のようだ。


しかしやはり俺には全く見知らぬ男だ。


俺がそのまま見ていると、俺の手をつかんだ。


「なにも言わないつもりか。それなら家まで連れて帰る!」


そう言うと強い力で俺の腕を引きながら歩き出した。


俺は抵抗することなくついて行った。


弟はまばらに建つ家を数軒横切り、一軒の家へと入っていった。


「おい、兄さん見つけたぞ」


弟がそう言うと、なかからわらわらと人が出てきた。


中年の男女二人。老人の男女二人。中年男が言った。


「おい、あれのありか、聞いたか?」


「それが父さん、兄さん何も言わないんだぜ」


弟の話からすると、中年男は俺の父親らしい。


まるで覚えはないが。


「おい、たかひろ。あれを持ち出しただろう。どこへやった!」


俺の名前はたかひろと言うのか。


そんなことを考えていると父が言った。


「なに黙っている。おい、なにか持ってないか調べるぞ」


父がそう言うと、弟と父が両側から俺の手を抱えて、奥の部屋まで連れて行った。

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