遺書
苦悩、人には理解されないであろう悩み、むしろ人々は幸せな悩みだというだろう、ただあまりに夢心地だった日常は、その夢から覚めたとき死を待つばかりの日常へと変わった。死しか逃げ場のないような辛さがあった訳ではない、しかしながらもう前すら見ることはできなくなっていった。すると不思議にも死が悪いものとは思えなくなった。循環する生態系のなかの、生命の輪からすれば終わりなどはなく、死など一部の出来事にすきないのだと、いつしかそう考えるようになっていった。自分のせいでしかない、この今がただ繰り返す日々が訳もなく私に重みを背負わせる。私はまだ若い、大人は言う「将来は今までより幸せも、苦悩も味わうのだと。」なら今までの幸せで満足してこれ以上の苦悩は勘弁願おうと思う。ネガティブな私には、人生というものはむかなかったのだと諦めて。
文学の才能もなければ、生きる価値もなし、と。