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俺の知らない事

七十七話

「私の名はウンディーネ。水を司る精霊です」


 木二本分ほどの身長の女性が言う。清き水が流れる川のような声で。よく分かんないけどそんな感じ。


「私の名はシルフ。風の精霊です」


 緑のゆったりとした服の女性がそう言う。身長は先ほどの女性とあまり変わらない。


「ワシの名はノーム。土の精霊」


 普通の人のサイズ感。しかし、周りの人達が大きいせいで子人に見える。作業着のような服だが、どこか高級感がある。


「我の名はサラマンダー。火の精霊なり」


 これまた大きな男性。赤で統一された鎧を着込んでいる戦士系。


「お、お初にお目に掛かります。ルルと申します。この度はフェニクスからの勧めにより、四大精霊様へ謁見させて頂きに参りました」


 ガチガチのルルが頭を下げる。フェニックスのあの言葉は勧められてたのか。行ってみたら? みたいな感じだったけどな。


「して、其処基(そこもと)は?」


 サラマンダーと名のった男性が俺に顔を向ける。


「シロです。お見知りおきを」


 適当な挨拶だが許して貰おう。正直階段の登りすぎで疲れました。帰りたいです。


 俺の挨拶に、サラマンダーはフンッと鼻を鳴らした。ごめんね。この家が木の下にあったら俺も丁寧な挨拶できたんだけれどね。


「さて、ルルさん。こちらの部屋に」


 ウンディーネがルルを隣の部屋に連れて行く。契約をしているのだろう。


「さて、シロ様」


 ルルが別室に入るのを見て、緑の服のシルフという女性が俺に話しかけてくる。


私達(わたくしたち)を覚えていらっしゃいますでしょうか」


 サラマンダーもノームも、俺の顔をじっと見ている。だが俺は知らない。


「覚えているって何をですかね。記憶の片隅にもないんですが」


 その言葉にシルフは少し残念そうな顔をする。


「やはりワシが言った通りであったろう。これより後はあやつらの仕事よ」


 ノームが憎たらしそうにそう言う。


「待って下さい。俺はあなた達に会ったことがあるんですか?」


 疲労感満載の脳を活動させる。


「我らはこの世界が生まれると同時に生まれ出でた存在。この世界がどうなろうとそれは世界の選択。我らが止めることではないのだ」


 サラマンダーが静かに言う。ちょっと意味ありげに意味分からないこと言うのやめて下さいよ。


私達(わたくしたち)はあなたの選択を止めません。通さんとする選択をなさって下さい」


 シルフが優しく、教えるように言ってくる。ぼくのあたまはもうぱんぱんです。


「具体的にどういうことですか」


「それは彼らが答えてくれるでしょう。あなた達が魔族と呼ぶ存在が」


 俺の問いかけに答えたのは、隣の部屋から出てきたウンディーネだった。


「その口ぶりは知っているということでしょうに」


「答えはずぐに、否が応にも分かります」


 答える気は無いらしい。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 ルルを待っている間、家の外に出て考え事に耽る。


 悪魔と俺の関係、俺のこの世界での存在、俺は何なのか。氏名も年齢も、住所も経歴も、言おうと思えばいつでも言える。俺という存在が前の世界にあったことは確かだ。それにも関わらず、この世界には俺のことを知っている存在がいる。


「分かんねぇ」


 口に出しても何も好転はしない。吐き出した言葉が空中に消える。何も分からない。ただ、ウンディーネの言葉を信じるのであれば、すぐに何か分かるはずだ。今は待つしか無い。


 もう一度ため息を吐く。色々な感情を含んだ息が消えていった。

四大精霊に会って何しようか考えていたら遅くなりました。


彼ら彼女らはこの先出てこないと思います。


ようやく方針が決まりした。各街に寄ったら最終章に入ります。

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