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結ばれた日

六二話

 大広間の先にある扉が開く。貫禄のある背格好で、いかにもな衣装を着て座っている男性が居る。


「あれが国王様だ。片膝を突いて頭を下げていろ。無礼な発言はしないようにな」


 そいつぁ難しいな。


 右膝を突き、左膝に左肘を乗せる。頭を下げて王の言葉を待つ。


「余がこの国の国王、アウグスティヌス。この度はシロ殿に余の隊を救っていただいたということで、是非とも礼をさせて頂きたい。金銭でも物品でも人でも良い。好きなモノを申すがよい。譲れるモノならば譲ろう」


 その言葉に顔を上げる。


「ありがとうございます。ですが今充実していますので、これと言って……」


「それでは気が済まんだろう。余ではなく、ここの兵士達がだ」


 そう言われて辺りを見回すと、兵士達はうんうん頷いている。ごめんね、なんか。


「で、では……そうですね……では一つだけ」


「なんなりと申すがよい」


「この国の書庫で色々と学ばせていただきたい」


「ほう。それでよいのか?」


「はい。それが今一番欲しい物です」


「そうか。よいよい。自由に使うがよい」


「ありがとうございます」


 そう言って頭を下げる。すると横から大きな体の男性が出てくる。


「では私からも礼を。騎士副隊長の……」


 騎士隊長を除く、称号持ちの騎士達からの礼。同じく魔法隊も。2時間程かけてみんなの礼の言葉を聞いた。


「本当にありがとうございました」


「いえいえ……」


 頭が痛い。帰りたい。


「それでは皆の礼も済んだところで。祝杯とまいろうか」


「あの……戦闘による疲労が残っていまして……お気持ちはありがたいのですが……」


「……そうであったな。気が利かず申し訳ない。フーリエ、後は任せるぞ」


「はい」


 フーリエが先導し、玉座の間から出る。


「みんな話長いなぁ」


「それだけ君に感謝しているってことだよ」


 そう言われると悪い気がしないけどなぁ。いかんせん疲れた。


 更衣室に行き、綺麗な二人に着替えさせられる。今度はちゃんとお礼が言えた。


「いえいえ」

「また機会があれば」


 と言われたが、機会はあるのだろうか……?


 着替えて更衣室を出ると、フーリエが馬車を用意して待っていてくれた。


「では馬車でまた送ろう。宴会を断るなんて普通ありえないことなんだがね」


「常識外れで申し訳ないね」


 小言を言いながら馬車で揺られる。もう時間的には深夜だろう。ルルは寝てしまっただろうか。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「ではまた」


「おー。ありがとー」


 フーリエに手を振って別れ、宿に入る。


 ドアを開け、中に入ると。


「あ、お帰りなさい! どうでしたか?」


 ルルが飛びついてきた。


「あぁ、良い感じだったと思う。たぶん」


 その後城であった出来事を少し話し、風呂に入る。


 この国の情報が国の書庫にはあるだろう。魔術都市ではほとんど何も分からなかったが、今回こそは。そういう思いで国王に書庫の閲覧を願ったのだ。まぁ、何にしろ見てみないことには分からないが。


 風呂を上がり、浴室のドアを開ける。ベッドにはルルが下着姿で座っていた。


「あの……今日はもうお疲れですか?」


 全然です。まったくです。元気です。


「いや……大丈夫だけど……」


 そう言いながらルルの横に腰を下ろす。


「私この国に着いてから分からないことがたくさんあるんです。魔族の事。シロさんとの繋がり。そして何が起ころうとしているのか」


 ルルがシーツを握る。


「俺も分からないことだらけだよ。魔族の素性なんて分からないし、俺もなんであんなに魔族が近くにいるのかも分からない」


 もちろん、これから起ころうとしてることなんてさっぱりだ。


「私怖いんです。シロさんがどこかに行っちゃうんじゃないかって」


「い、行くわけないじゃんか。ルルのそばにいるよ」


「約束出来ますか?」


「出来るさ。俺はもう君を離さない」


 その言葉にルルが抱きついてくる。俺もルルを抱きしめる。


「私……無力です……魔法も私より使える人ばかりで……」


「そんなことないさ」


「シロさんの隣にいるのがおかしいくらいに無力で」


「力がなかったら俺の隣にいちゃいけないの?」


「いや……その……」


「俺はルルが好き。大好き。ずっと一緒にいたい。隣にいたい。それじゃダメかな?」


 ルルがこちらを見る。目が潤んでいる。城に着いてこなかったのはこれが理由か。


 ルルに思わずキスをする。ルルの体は一瞬こわばるが、すぐに力が抜けていく。


 唇を離して、ルルが俺に囁く。


「私も好きです。誰を救ったとか、誰を倒したとかは関係ないです。シロさんが好き。大好き」


 抱きしめ、唇を重ねる。ルルを押し倒し、体中を触る。


 お互いの柔らかさ、硬さを確かめ、そこに居るということを確かめる。そして。


「ルル……」


「はい……」


 ゆっくりとルルの中に俺が入る。一つになる。その行為には色々な意味がある。これは愛の行為。お互いを愛しているという確認。


 ルルは涙をこぼす。


「大丈夫? 痛いよね」


 そう言いながら腰を引くと、ルルは首を振る。


「続けて下さい。痛くないわけではないですが、繋がったことが嬉しくて泣いているんです。これはその涙です」


 そう言って笑う。その言葉に応えるように、愛を確かめ合う。何度も何度もルルに思いを打ち付ける。息が荒くなり、叫びそうになる口をルルと塞ぐ。


 お互いの体の境界線が分からなくなり、限界が訪れた事に気が付くのが遅れる。


「ルル……! もう……!」


「はい……! 下さい……!」


 ルルの中に吐き出す。己の体から出る、液体がルルに流れ込んでいく。ルルも目を瞑り、それを受け入れる。何度かに渡って吐き出し続ける。コポコポという音がルルのお腹の中で響く。


 俺はルルから引き抜いた。吐き出された液体が少し溢れてくる。ルルはお腹を押さえ、嬉しそうに目を閉じている。


 横向きに寝転び、ルルの頭を撫でる。


「ごめんな」


「なんで謝るんですか?」


「なんとなく」


「謝ることはないですよ。私はとても嬉しいんです」


 ルルの赤くなった頬にキスをする。ルルは俺の胸に頭を預ける。その頭をしっかりと抱き、眠りにつく。胸からルルの囁きが聞こえる。


「ありがとうございます。私の英雄」

なんかこう芸術的に書こうと思ったんですがね。


いかんせん力がね。

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