中央都市に向けて、りょこーう!
五十四話
「そういえば、なんでグリウスはこの馬車に乗ってるの? 魔術都市にいたっけ?」
「あ、私普段は色んな仕事してるんですけど、今回はこの馬車の荷物運び兼、用心棒をしてるんです」
ルルは風呂場で聞いていたらしく、うんうんと頷いている。
「お二人は、魔術都市で何をされていたんですか?」
「その話はルルから聞かなかったんだ」
「シロさんがいかに格好いいかを聞かされて!?」
ルルがグリウスの口を必死で塞ぐ。
「そ、そんなこと言ってませんでしたよ ?ね、ね? グリウスさん?」
必死に笑顔を取り繕う。やめたげて。グリウス死んじゃう。顔青くなってるよ。
「い、いやぁまぁでも魔術都市では色々ありましたね」
深呼吸するグリウスの背中をさすりながら、ルルの話に相づちを打つ。グリウスが聞き返し、ルルが笑い、俺が少し大げさに話を盛る。ドラゴン討伐から今までの話をした。そんなこんなで一日目の馬車の旅は終わった。
馬車を止め、火を熾し、晩飯の準備を始める。と言っても鍋に簡易料理みたいなのを入れるだけだが。
「そう言えば中央都市までどれくらいかかるの?」
たき火を見ながらルルに聞く。
「夜中も馬車で走るらしいので、明日の昼前には着くと思います」
グリウスも頷く。
なら安心だ。楽しくなかったわけでは無いけれど、お尻が痛い。馬車は揺れるからね。仕方ない事だけれども。
晩飯を食べ、馬車に入る。
「じゃあおやすみなさい」
グリウスが一番右に寝る。川の字か。じゃあ俺が真ん中ですね。
「じゃあ私が真ん中に」
ルルが真ん中に寝る。ですよねー。少し残念に思いながら左端に横になる。
「あの……中央都市に着いたら何しますか?」
ルルが聞いてくる。
「そうだな……まずはガウルに会いたいかな。話したいこともいっぱいあるし、顔も見たいし」
「そうですね」
ルルがこちらを見る。恥ずかしいので俺は上を向く。
「ガウルも鍛冶の街出たかなぁ」
「どうでしょう」
眠たいのだろうか。グリウスも返事をしないし。
「なぁルル」
そう言いながらルルの顔を見る。
「なんですか?」
暗くて良くは見えないが、顔が赤くなっている。
「大丈夫? 熱でもあるの?」
ルルのおでこに右手を伸ばす。その手をルルが手で止める。そして胸へと導き、ルルの左胸に触れる。グリウスに聞こえそうなほど大きな音を立てている。顔が赤かったのは熱では無く、上気していたからか。
「私……」
艶めかしく動く唇から目が離せない。
「私……もう……」
ゆっくりと唇が近づき、触れ合う。軽く、しっかりと、深く。濡れた粘膜が立てる音と、お互いの呼吸が荷台に響く。
「んっ……ふっ……」
ルルの胸の位置にある手をゆっくりと握る。大きくは無いが、膨らみが確かにある。揉み、もう一度、もう一度。ルルの呼吸に合わせて揉む。お互いの口の端からよだれが垂れる。ルルが俺のズボンを下ろす。硬くなったモノを手で包む。俺も魔道着の裾を捲り、下着の中に手を入れる。もうすでに濡れている。少し触るだけで水音が辺りに響く。
「はっ……ふっ……」
言葉も発さずお互いの体を求める。もう耐えきれない。限界だ。ルルの手で包んだ俺のそれを足の間に持って行く。太ももに先端が触れ、その刺激に腰が思わず動く。腰を少し前に突き出す。ルルは軽く足を上げる。先端がルルの中に入ろうとする。粘性のある液体が音を立てる。
「ルル……もう……」
「はい……私も……」
少し、1mmほど先端が沈む。ゆっくりとルルの中に飲まれていく。
「ぅあっ……!」
その声はルルから漏れ出た声か、俺の声か。
「へくちっ!……あぅ」
ルルの奥から声が聞こえる。ルルが体をこわばらせる。
「あの……ほんと……すみません……」
グリウスが申し訳なさそうな声を出す。その声に俺の硬くなっていたモノも萎む。
「出て行くんで……」
ルルが出て行こうとするグリウスの腕を掴む。
「だ、だだ、大丈夫です……もうしないので……」
ルルがパンツを上げ、裾を直す。そして仰向けになり、目を閉じる。
俺もズボンを上げ、ルルとは反対の方を向く。目を閉じ、昂ぶった気持ちを抑える。
寝てしまおう。寝るんだ。とりあえず今日は。
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次の日の朝、気まずそうにしているグリウスと朝飯を食べ、中央都市への思いを新たにする。
「いや本当にもう……すみませんでした……」
「いや……こちらこそ……私も申し訳ありませんでした……」
いや俺も悪かったなぁと思います。
「でもあれですね、そろそろ着くかもですね」
「そうですね。着くかもですね」
グリウスの気まずそうな言葉にルルも気まずそうに応える。そのまま揺られること少し。
「見えてきたぞー」
荷台の外から声が聞こえ、荷台の前の布を捲る。馬の背越しに街が見える。
巨大な壁に囲まれ、中を詳しく見ることは出来ないが、真ん中にそびえ立つ大きな城が見える。あれが中央都市。この世界で一番大きく、この世界の中心に存在する街。
「すご……」
思わず声が出る。まだまだ距離はあるが街の迫力は凄まじい。
「本当に……」
隣でルルも呟く。
そんな二人の様子を見てグリウスは笑いながら胸を張り、嬉しそうに言う。
「中央都市へようこそ!」
中央都市に向け!いざ!




