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捕縛!脱出!会合!

四十三話

 こんなはずじゃなかったんだわ。と牢屋の床を撫でながら自分に言い訳をする。


「おう何したよ」

「したよー」


 どうにかなると思ってたんだわ。フードを被った変な二人に絡まれながら、自分の中で言い訳をする。


「何やらかしたよ」

「したよー」


「うるさいな。何にもしてないよ。されただけだよ」


「何されたんだ?」

「たんだー?」


 めんどくさい奴にからまれたもんだ。


「俺の弟がすまんな。俺の真似するのがが好きでな」

「でなー」


 ちょっとあっち行っててな、と言い弟を横に追いやる。


「すまねぇな。んで? なんでお前さんはこんな暗い場所にいるんだ?」


「悪魔に禁忌魔法ってのをかけられてな」


「そりゃめでてぇな」


「めでたいのはお前の頭だよ」


「悪魔に魂売った奴に言われたくは無いなっはっはっ」


 フードの奥で笑いながら言ってきた。ぐぅ……正論だ。


「そういうお前は? 天使に魂売ったのか?」


「ちーっと違う。強盗だ」


 全然違うじゃねぇか。


「ただの強盗じゃねぇぞ? とある魔法を盗んだんだよ」


「魔法を盗んだ?」


「そう。傀儡(くぐつ)魔法と認識阻害魔法のふ二つ」


 くぐつ? 人形みたいなものか? あと認識阻害……自分を他の何かに見せたり、見せなかったりする、みたいな感じか。


「まぁ魔法の中身はあとから聞くとして、盗んだってどういうことだ?」


「その二つの魔法は、この世界でも使える奴が一人づつしかいない。その二人に魔法の使い方を教わって……殺した。だから俺がこの世界から盗んだみたいなもんだ」


「ころ……」


「まぁ仕方が無かったというかなんというか」


 低い声で(うつむ)く。


「そんな……」


「まぁ冗談だ」


 あの悪魔に通ずる嫌さを感じる。


「どうしたんだ?そんな嫌そうな顔をして」


「嫌な奴を思い出したんだよ」


「お前が魂を売った悪魔さんか?」


 楽しそうに笑いながら言ってきた。


「そうだよ。お前もその悪魔に似てるよ。雰囲気だけならそっくりだ」


「ほぉう。にいさん良いところに目をつけるね」


 嬉しそうな声でフードを取る。


 黒目の肌に単発の黒髪。デコ辺りに角が二本生えている。鹿のような生え方だが、角自体はツルツルして少し曲がっている。猪の牙に似ている。目は黒目が大きく、白目の所も少し灰がかった色をしている。


「お前……悪魔……?」


「魔族と呼ばれる内の、幹部レベルの存在がこの俺。最強で最高のフルレティ様だ。親しみを込めてフレ様と呼ぶことを許可しよう」


「親しみ込めた敬称が様なわけないだろ」


 まさかのまさかだ。悪魔が二人。たくさん。デビルパンデミック。


「まっ。そういうことだ。だから捕まった」


「最強で最高の悪魔様が、こんな牢屋にいる意味は分からなかったです」


 皮肉を込めた言い方をする。


「最強で最高の存在がドジこいたんだぜ? 可愛いだろ?」


 ギラギラした目で笑いかけてくる。


「その怖い顔で言わないで。怖い」


 ちっ、と舌打ちをしながらフードを戻す。


「まぁ、俺の話はいいじゃねぇか。それよかここから出ようぜ。足が痛ぇ」


「出るって言ってもどうするんだ? 牢屋から出たところで俺はこの街でやることもあるし、この街から出ることも出来ない」


「そうだなぁ。じゃあ俺に作戦がある。乗れよ?」


 悪魔の作戦とか怖すぎる。


「いいじゃねぇかもう一回魂売ってるんだからよ。一回も二回も大して変わらねぇよ」


「変わるんだよなぁ」


「良いか? よく聞け」


 フレ様こと、二人目の悪魔の作戦はこうだ。


 まず傀儡魔法を使って鍵を開ける。次に、認識阻害魔法を使って魔道師達に見つからないように逃げる。そして、外に出て、認識魔法を解く。そこで俺が魔法で悪魔を倒す。悪魔は俺の魔法で殺される演技をしながら逃げる。俺は悪魔に恨みがあるのだと魔道師達に訴えかける。


「って感じだ」


 無理があるだろぉ……


「まず傀儡で鍵開けるっていうのが分からないんだけど」


「傀儡ならそこにいるぜ?」


 悪魔が指差した先には弟がいる。


「傀儡展開」


 悪魔が呟くと、先ほどまで弟だったモノが大きくなっていく。2mを超えるほどに。フードの奥は見えないが、隠れている体の部分がボコボコしてる。怖い。


「お前弟を……」


「これだと誰にも気づかれないってわけよ」


「そんなに兄弟愛に飢えてるのか……」


「ちげぇよ」


 馬鹿なことを言っている場合じゃ無い。


「さて、脱出だ」


 弟だったモノが細い腕を一本出す。手には鍵が握られている。だが、腕は人間のものではなく人形のような腕だ。だから怖ぇよ。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「難なく逃げれすぎてつまらんな」


 地上まで誰にも見つかること無く逃げられた。


「じゃあ解除するぞ? 上手いこと頼むぜ?」


 物陰で解除して悪魔が飛び出る。


「俺様は最強で最高のフルレティ様だ! 拝み奉れ!」


 近くにいた魔道師達がすぐ反応する。


「悪魔!?」

「地下牢にいた悪魔よ!」

「寝てた所を捕まったアノ!?」

「でもどうやって!」

「そんなことより警備兵を!」


 寝てたのかー。そして捕まったのかー。それで最強なのかー。


「えーい、悪魔よ。こらしめてやるー」


 物陰から飛び出た俺の名演技に、悪魔も魔道師も感涙を禁じ得ないだろう。


「ふはっはっは。人間ごときにやられる私では無いわ!」


「ならば最初で最後の経験だな。魔族」


 俺では無い声が悪魔に話しかける。


「この私に話しかけるその据わりすぎて重くなった肝や良し! 名を聞いておこうか?」


「王族直属騎士、魔法隊副隊長、シモ・フーリエだ。貴様達に冥土があるかは知らんが、土産にでもするが良い」




 お、お前が来るのかよ……

台風で異世界転生とかおもしろそう(小並感)

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