しょきまほう を おぼえた!
四十二話
「まぁでもしっかり魔法は使えていたし、あとはコントロールかな」
5分くらい笑い転げていた悪魔はそう言ってきた。
「せめて自分は燃えないようにしなきゃねw」
一言多い悪魔はそう言ってきた。
「まぁそう睨まないでよ、悪いことした気になるじゃないか」
確かに火だるまになった俺が悪いんですけどね。俺が。
「イメージは、手の上に小さな魔力の玉を作る。そしてそれを火として扱う」
手の平に小さな火球が生まれる。
「そんな事一回一回してたら、戦闘の時に間に合わない事が出てくるじゃ無いか」
「だから、普段から魔力の玉はいくつか作って袖にでも忍ばせておく」
こんな風に、と言いながら両手に数十個の火球を作る。
「そうすれば、百人との戦闘も大丈夫」
どこかの物置と同じフレーズだな。
「さて、じゃあまずは魔力球を作ってみようか。出来るだけたくさん」
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「いやぁ、流石の悪魔さんもびっくりですよこれは」
凄すぎてごめん。
俺の周りには大量の魔力球が浮いている。
吐き出した煙を全て球に。そしてそんな流れ作業の内に気が付いたけれど、息を吐かずとも魔力が出せるようになり、出す量もコントロール出来るようになっていた。
「一気に火に変えると、僕を巻き込んで大炎上するからね。しないでね」
「フリ?」
本気のトーンで、違う違うと言ってきた。
「じゃあ次は水を生成してみよう」
悪魔先生の魔法講習はもう少し続くようだ。
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「とりあえずこんなもんかな」
その後二時間近く訓練を行った。
「全ての初級魔法は使えて当然、みたいなものだからね」
「初級以外は覚えなくても良いのか?」
「無茶苦茶に時間かかるけどいいの?」
じゃあいいです。
「ルルちゃんを救わなきゃいけないんだし、時間は掛けてられないね」
「それだよ」
悪魔をゆび指すが、本人は首を捻っている。
「条件の時にも言ったけど、なんでお前がルルを助けて欲しいんだ?」
「言えないって言ったら?」
「力ずくで聞き出してやる」
「魔法初心者が悪魔に?」
「今なら負ける気がしないね」
悪魔はやれやれといったポーズをする。
両者にらみ合う。大量の魔力球が周りに浮かぶ。
その瞬間。
「見つけたぞ! 放て!」
後ろから大きな声がする。振り返ると、そこには魔道師達がたくさん集まっていた。ただ不思議なのは。
「結界突破! 魔族だ! 容赦はしない! 殺せ!」
「結界? 何の話だ?」
悪魔の方を見る。
「さぁて、そろそろ消えようかな。頑張ってね勇者君」
「待て! 話がまだ」
伸ばした手が悪魔の体を掴む直前、魔道師の放った魔法で目の前の体がはじけ飛ぶ。
「対象魔族固定蘇生!」
魔道師が言葉を放つと共に、取り出した紙を地面に置く。そして、その紙は強い光を放ちながら何かを形作る。
だが紙の上に現れたのは。
「粘土の……人形?」
「くそっ! 魔族め……」
どいやらあの悪魔の蘇生を行おうとしていたらしい。悪魔は俺の蘇生場所を作るときに血を使ったが……無くても良いのだろうか。それとも悪魔だからだろうか。
「大丈夫か? この結界の中で禁忌魔法が使われた形跡があるのだが、何もされていないか?」
言っても良いのだろうか? 嫌な予感がする、が。
「あの悪魔に禁忌魔法かけられちゃいました」
テヘッ☆の効果音がつきそうな程可愛らしく。
「ほ、捕縛ぅーーーーっ!!!!」
ですよねー。
本当にそろそろ助けに行かなきゃ……!




