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異世界でレベルアップしたら全ステータスが0になりました。  作者: シラクサ
第二章 魔法の存在
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告白

二十話

「ふぇ?」


 顔を真っ赤にしたルルが、こっちを見ている。いや、変な意味じゃなくてね?


「あ、いや、その、そういうんじゃなくてね?」


「そ、そうですか」


 そっぽ向いてタコを食べる。てかタコ多いな!


「おぉん? 青春か? ワシには過ぎ去りし青春か?」


 ガウルがニヤニヤしながら肘で突いてくる。


「うるさいな……なんでもないよ……」


 ルルは俯いたままタコを食べている。耳が赤い。



 ガウルやルル達と色々な話をしながら、タコ(クラーケン)を食べ、みんなで後片付けをする。今回倒したタコ(クラーケン)はかなりの大物だったらしく、みんな食べ終わってもウキウキしている。


 空いた皿を運んでいると、ルルがトコトコ寄ってくる。


「楽しかったですね」


「そうだね。もし俺がパーティーとして参加してたら、レベルが上がって大変なことになってたかもね」


「あはは。そうですね。でも、どうしてそんなにステータスが低いのでしょうね」


「この前会いに行った学者さんでも分かんないんだってさ」


「そうなんですか。手詰まりですね……」


自分のことのように落ち込んでくれる。この世界の人は優しい人ばかりなのだろうか。


「それで中央都市はどうかって。その学者さんが」


「中央都市というと、エルメロッジですか」


「そうそう。文献が多いからってさ」


「なるほど。ということはお別れですね」


「え?」


「魔術都市に一度帰ろうと思うんです。魔法が実践で使えるようになったので、その報告に」


「あ、そ、そう」


 何故だか。何故だかルルとずっと一緒にいられると思っていた。このまま冒険を一緒にし、強くなる方法を見つけ、イチャイチャし。そんな、そんなものだと思っていた。


「ガウルさんにお金返してきますね。全然足りないですけど」


「あ、うん」


 ルルが背を向ける。小さな背中だ。俺よりずっと小さいその背中で、自分の街を一人で出て、強くなるために最果ての街まで来た。今では一人で敵も倒せるし、こんな大物も助力ありとは言え、倒せる。一方俺は、である。


 ガウルとルルが話している姿を見ながら、考える。試行錯誤ではあるが、俺も進もうとしている。ルルみたいに金をかせいでガウルに渡す。全部返して、その上で貯金して、自分の力で一歩ずつ進む。これ以上ガウルに迷惑はかけられない。だが、その一歩はルルの方が早く踏み出した。


 ルルが嬉しそうに帰ってくる。


「ガウルさん、受け取ってくれました!」


「良かったね。頑張って稼いだもんね」


「はい! ……どうしました?」


「いや、色々考えてさ。ルルはすごいね。俺よりずっと小さいのに。すごく頑張ってる」


「そんなことないですよ。できることが少ないので迷わずにやってられるだけです」


 こちらを見ながら口を開く。


「もし私がステータスが低かったら、たぶん絶望して何もしなかったです。一歩踏み出すことがどんなに辛いか。私には……分からないです」


「俺は……俺は全然すごくないよ。みんなに助けられなきゃ何もできないさ。それに……」


 それにこの世界はどこか、ゲームっぽさを感じている。だから余裕を持っていられるだけだ。生き返れるし。


「それに……?」


「いや……こんなに可愛い子がそばにいてくれるなら、頑張るしかないしね」


 我ながらクサすぎただろうか。顔を俯かせている。


「たらしですね」


 こちらを見上げるルルの顔は、真っ赤に染っていた。チョロインかよ。


「まぁでももうすぐ行っちゃうんでしょ?残念だよ」


「心こもってないですよね?」


「こもってるこもってる」


 笑い合いながら話をする。こんな関係になったばかりだというのに。もうすぐ終わりなんて。


「それで? いつくらいに出発なの?」


「そうですね……もう少しお金を稼いでからになるので一週間後くらい後ですかね」


 まだ結構いてくれるようだ。凄く安心している自分がいる。俺チョロくね?


「そっか良かった良かった。俺も稼ごうと思うんだ。探険者の荷物持ちとかあるらしいし」


 ルルが驚いた顔をしている。そして、言いづらそうに口を開く。


「ガウルさんは迷惑だとは思ってないと思いますよ。私のお金も渋々、という感じでしたし」


「いや、ガウルがどう思ってるかっていうより俺が嫌なんだよ。こう、何も返せてないことに甘んじることが」


 前の世界のように。仕方ない、で片付けてしまうことが。


 その思いが伝わったのかは分からないが、ルルは納得してくれたようだ。


 そして決心したような顔をし、一言。





「今夜、お話があります」


 えっ?

ケルト音楽とか聴きながら読んでもらうと、また違った味があるかもです

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