襲来
ついに本編のスタートです。
とりあえず序章はできるだけ連続で
投稿していこうと思います。
「お前ら...また武器を壊してきたのかよ」
「「すみませんでしたぁ!!」」
俺ことクーガは、カーディアスと共に
訓練中に壊れた武器の修理を依頼しに行ったらあきれられてしまった。
と言うのも、俺たち二人が武器の耐久力を無視した
激しい訓練をするため、並の武器だとすぐに
壊れてしまうのだ。
壊れた武器をを預けて、また別の武器を使って訓練を再開する。
今日だけでこれを5回も繰り返している。
そりゃあきれられるよな。
「しかし、あのやる気のなかったクーガが訓練なんて、一体どういう風の吹きまわしだ?」
「最近魔王軍が近くまで来てるって話だし、攻めてきた時に少しでも対処できるようにしておきたいんだよ」
今俺たちが住んでいるロディアス王国は今、
魔王軍との戦いの最前線にある国だ。
少し前までは、最前線はもう少し先の方にある国で、
攻められるのはまだ先だと思って修行とかサボってたら、
前線の国々が敗退を重ね、ついにこの国まで来てしまった。
俺は戦いとか好きじゃないし、修行に対するやる気も無かったが、
いざというときに戦えるように俺も修行を始めたというわけだ。
「僕としては、ようやくやる気を出してくれたことは
嬉しく思うよ。状況はあまり良くないんだけどさ」
と、カーディアス。さすがにこんな時にサボる訳にはいかないだろう。
「まあ、あたしの鍛冶修行にもなるからいいんだけどさ、出来ればもう少し大切に扱ってくれ」
「「善処します」」
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替えの武器を取ってきて、修行場所戻ろうと町を歩いていた俺たちは、町が騒がしいことに気づいた。
衛兵たちが慌ただしく行き交い、町の人々が
心配そうにそれを見ている。
「何かあったのか?」
「そうかもしれないね。衛兵がこんなにも忙しそうなのはあんまりないし」
嫌な予感がする。すぐにそれを振り払おうとしたが、
こういう時の予感というものはよく当たる。
カカン カカン カカン カカン
突然、鐘が鳴り出した。
鐘の鳴らしかたにはいくつか種類があるのだが、
この鳴らしかたは...
「「敵襲か!?」」
直後、衛兵たちが叫んでいるのが聞こえた。
「奴等が来たぞ! 魔王軍だ!」
どうやら魔王軍が攻めてきたようです。