神様との話
俺は、今、異世界にいる。
なぜ異世界かと言うと地球で死んでしまい、ラノベでよくある異世界転移を神様にしてもらったからだ。
では、なぜ異世界転移してもらったかと言うと…
俺、星宮 宙は就職して働いていた22歳の普通の社会人だ。
だだ、他と違うのは中学の時に父と母が交通事故で亡くなり高校の頃からバイトしながら1人で暮らしてきた。
もちろん、おじさん達やお婆ちゃん達から一緒に暮らそうと言ってもらったがどちらとも都会で、田舎のような田んぼや山がなくて嫌だったため母達が残してくれた家と貯金を元に1人暮らしを始めた。
もちろん、都会そのものが嫌いなわけじゃない。
星が見えない都会の空が嫌いなだけだ。
父と母は、天体望遠鏡まで持っているほどの星好きで、俺も両親の影響で星が好きになった。
夜空の星を観るのも綺麗で好きだし天体望遠鏡で星を一つ一つ観るのも幻想的で好きだ。
そんな大好きな両親が亡くなり、大好きな星まで見れなくなるのは我慢できなかった。
だから、星が綺麗に見える周りが田んぼや山がある我が家で大変だったが高校卒業までバイトをしながら1人暮らしをした。
その後、就職したのだがさすがに田舎だと就職先が少なく、仕方なくお婆ちゃん達と過ごしながら都会で働いて過ごしてきたが星を観るのは止めれずネットで調べたりしながら我慢していた。
そんな生活を過ごしていたある日、通勤途中に両親と同じように交通事故で死んでしまった。
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気づくと、あたり一面真っ黒のだった。
正確には、星明かりのようなものがあり、周りが黒くても結構見えた。
そして、俺は、どうやら体がないみたいで魂というか意識だけこの場所にあるみたいだ。
そして、目の前には、薄く光輝く人間のような存在がいて俺は、思わず聞いてしまった。
「俺は、死んだのですか?」
そんな質問に目の前の存在は答えてくれた。
「そうです。あなたは、亡くなりました。
そして、ここは生と死の狭間にある空間であり私はあなた達、人間が言うところの神にあたります」
俺は、目の前の存在にそう言われビックリしたもののラノベとかもたまに読んでたおかげで意外と冷静でいられた。
「では、俺は、死の世界に行くための検問所のようなところにきたという解釈でいいのでしょうか?」
「そうですね、それでだいたい合っています。
だだ、この場所は死の世界だけでなく生の世界に行くための場所でもあります。
今回、あなたは、死の世界ではなく生の世界に行っていただきます」
「生の世界?って具体的になんですか?」
「生の世界とは、あなた達が住んでいる地球以外の星で人間、もしくは、人間と容姿や人体構造が似ている
生物が住んでいて生きていける環境の星ということです」
「えっと、つまり俺は地球以外の別の星に住むことができるということですか?」
「はい、もちろん魂だけですので肉体は、あなたの要望に合わせて私達が作りますが、概ね、その解釈で問題ありません」
おおぉ〜!俺は、心の中で別の星で生きていけることに感激していた。
向こうで見る夜空の景色はどんな風かなぁ〜と。
「では、まずあなたの容姿について質問します。
性別は、男と女のどちらがよろしいですか?」
「もっ、もちろん男で」
「分かりました。では、次に容姿と年齢はどうしますか?」
「容姿は、なるべく黒髪のイケメンで、すらっとしつつもけっこう筋肉があるぐらいがいいです。
身長は、180cm弱くらいで年齢は17歳くらいでお願いします。あと、目は黒目じゃないほうがいいです」
「分かりました。では、その情報を元に作成致します」
神様が言い終わると同時に俺が輝き出しあたり一面が眩しく照らされた。
10秒くらいでその輝きは消え、気づけば俺は注文通りの身体になっていた。
「ビックリした〜、本当に言った通りの身体になってる。筋肉もあるし身長も憧れてた高さに感じる」
「気に入って頂けたのなら良かったです。
では、これから、あなたが行く生の世界がどういったところなのかを説明します」
俺は、感動していた気持ちを抑えて神様の話を真剣に聞くようにした。
「まず、あなたが行っていただくのは、
【マデルナ】という星になります。この星は、剣と魔法が主な世界で地球に比べ文明が発達しておりませんので死が身近で危険ではあります。それに、種族間の仲があまりよろしくないため、地球のような安全な世界から転移者、転生者として度々、死者を生の世界に
送るしか手の施しようがありません」
剣と魔法の世界ということで俺は、一瞬喜んだが、
急に重たい話になり、どうやらこれが理由で俺は死の世界ではなく生の世界に転移されるらしい。
「あの〜、質問なんですが、神様なのですからそれぞれを平和にする事はできないのですか?」
「私達は、全ての神の祖である創星神様が創られた星を管理するのが役目ですが、種族が滅びるような危機や人類が滅亡もしくは大半が死亡するような現象が起きそうな場合でしか関与する事はできません。
なので、種族間の問題やその他、小さな問題は監視はできても関与はできません。
ですから、一時的でさえ、神が関与できる空間に来ることができる死者に新たに生を与え、少しでも良くなるように転移、転生させているわけです」
熱く語る神様に少し苦笑いしてしまった。
いかん、いかん…
「では、神様は、俺に種族間の仲を元どおりにしてほしいということですか?」
「いえ、そういうことでは、ありません。
確かに、種族間の仲は悪いですが全てが悪いわけではありません。なかには、いろんな種族が一緒に暮らしている国もあります。ですが、全体的に見ればそんな国は極一部なのです。
もちろん、あなたは、転移してしまえば私達は関与できませんので、あなたの周りだけでも関与できる範囲だけは種族間の問題、人間同士の問題を解決してほしいということです」
「そういうことなら、大丈夫です。
さすがに、種族間はどうにかできるかわかりませんが
俺の周りだけは、いい関係が築けるように頑張ります」
「はい、頑張って下さい。
ちなみに、転移前に、あなたには力を与えます。
だいたい、話しておかなければいけないものだけ話しておきます。
まず、【マデルナ】にはスキルやレベルが存在します。
魔法が存在しますので生き物にはそれぞれステータスが存在します。
なので、あなたは、ステータスと頭の中で思い浮かべれば自分のステータスを見ることができます。
もちろん、一般人はそういった力はありませんので
一般人は鑑定水晶という魔道具でステータスを確認します。
次に、ユニークスキルの1つに全言語翻訳というものがあり、話したり聞いたりする言葉、書く文字、全てに翻訳機能がつくので安心して過ごせます。
他にも、身体的強化や魔法適正や魔力、戦闘系や生活系にも使えるスキルやユニークスキルなどを与えますので転移後にステータスにてご確認下さい」
「はい、分かりました」
「他にも国の情報やどんな種族がいるのか気になるでしょうが、それは楽しみとして後で自分でお調べ下さい。
最後に【マデルナ】は、魔物が存在しますので気をつけて生きていってください。
あと、現在、【マデルナ】には、あなたを含め7人転移者と8人の転生者がいますので、もし会う際はいい関係が築ける事を祈っています」
俺は、楽しみな気持ちが顔にでながら、星を見ながらのんびり生活していこうと心に決めた。
「はい、これからの毎日、危険もありますが楽しんで生きていきたいと思います」
「はい、そうしてください。
それでは、あなたと【マデルナ】に幸せが訪れる事を祈っています」
その神様の言葉とともに、俺は、異世界に転移した。