きょうかい
窓から差し込む日の色
もう西の水平線に差し掛かりそうな、太陽の橙色が目を焼いた
一直線に家を飛び出した
右、左、真っ直ぐ、上に上がる階段を駆け上がって、石畳を踏み、土を蹴る
目指すのは山の上
時間が無い、早く、早く
両手を上に、脚を前に、体を飛ばす
ーーーきっともう少し。
ーーーきっとあと少し。
背中に照り付ける赤い光が、僕の体を後押しする
山から降りてくる風が涼しくて心地良い
ーーーー早く、
ーーーー今、行くよ
ーーーーもっと早く、
ーーーーあともうちょっと
見つけた
壁の横にある階段
時間が足りない、一段飛ばし
屋根の上に…
十字の影から覗いて見ればーーー
ーーー僕と明日のキョウカイが、球の中に写される
夕陽の街並みの
光と影の対照
ーーーまた、1つ